内容説明
中国・韓国のいう歴史は政治にすぎない!国家と時代の枠組みを超える新しい世界史を日本人がつくる。
目次
「歴史とは何か」という大問題
歴史のある文明と歴史のない文明
世界で初めて歴史をつくったヘーロドトス
キリスト教文明が地中海文明に加わった
中国は日本人がつくった
『史記』に呪縛された中華圏の歴史観
日本文明はいかにして成立したか
『日本書紀』の歴史とは何か
国民国家が世界史を変えた
マルクスに騙され続けている世界史
日本の歴史教育の大問題
日本人がつくる世界史
著者等紹介
宮脇淳子[ミヤワキジュンコ]
1952年、和歌山県生まれ。京都大学文学部卒業、大阪大学大学院博士課程修了。博士(学術)。専攻は東洋史。大学院在学中から、東京外国語大学の岡田英弘教授からモンゴル語・満洲語・シナ史を、その後、東京大学の山口瑞鳳教授からチベット語・チベット史を学ぶ。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員を経て、東京外国語大学、常磐大学、国士舘大学、東京大学などの非常勤講師を歴任。現在、昭和12年学会会長、公益財団法人東洋文庫研究員としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tomo
13
☆☆☆☆☆ ・直進する時間を暦によって管理するという、高度な文明を持つ民族しか歴史を持たない ・輪廻転生(天→阿修羅→人間→畜生→餓鬼→地獄)という直進しない時間軸を持つインドは、優れた文明を持っていたが歴史は持っていない ・人間は移ろうが、移ろわない神が絶対のイスラムでは、過去・現在・未来の因果関係を否定し自分たちの歴史を持たない ・イングランド王から独立を勝ち取り、君主制を否定して国家を成立させた🇺🇸は、国民が共有できる歴史がない、どれも納得。🇺🇸って、1800年からしか歴史がないんですね。2023/06/11
PINGE
3
2015年に観たdhcシアターの「歴史とは何か」を書籍化した本であった。当時、「保守論客」等が国史の必要性を説いて神話からの長い歴史を誇れるような本や言論が活発になる中、苦言を呈する風に淳子先生が話されていて少し驚いた事を思い出す。教科書としては、私なりに年頃や知識に応じた何段階か、複数のアプローチによる内容が色々有れば良いなとは思うが、岡田宮脇学説の良さが行き渡るのは難しそう、と思ってしまう。岡田先生の本は中国の知識人によく読まれているそうで、切り取られて悪用されないかしら。2024/03/17
dahatake
2
この手の本を読むには、多様な観点での本を読んだ物量が読者に必要だと改めて思う。 著者のいう歴史とは、過去の書籍と置き換えてこの本は読んだ方が良いかも。そして、その本からくる歴史とは宗教の概要を扱ってる。結局は日本の歴史教科書に行き着くのだが、日本の信仰や、政治を動かすものとなるであろう経済や民俗には触れられてない。結果として、論拠が弱い。 でも、自分とは別の視点なので、これはこれで為にはなる。 2022/06/12
haruka
2
タイトルと中身が伴ってない感じがするけど、要は「歴史とは何か」ということだと思う。目から鱗の話が多くて楽しかった。歴史は今の教育ではただの暗記科目と化してるけど、本来は因果関係に基づくストーリーがあり、面白いものなんだよね。2021/08/23
Go Extreme
2
歴史を成り立たせる四つの要素:直進する時間の観念時間をどう管理するか・文字・事件と事件の間には因果関係があるという感覚 歴史:過去そのもの<過去の解釈 歴史叙述 時代が変われば整理の仕方が変わる 輪廻思想の基本:くりかえし原初に戻る 対抗文明 日本も対抗文明の国 ネイションステイト・国民国家 自前の歴史文化:地中海文明とシナ文明 書く←書きたい理由 史料批判 民族も民族主義も―つのイデオロギー マルクス主義:下部構造が上部構造を決定 史的唯物論や唯物史観 ゾロアスター教の終末論 凡人たる人間にとっての救い2020/09/22