内容説明
ぶわーん「うわっ、何ですか!これ」独特の着眼点で絵画を読み解く“痛快エッセイ”
目次
クリムトの開かれた庭
何が出るか。怪人・芦雪
「無常」というリアリズム―アンドリュー・ワイエス
ホックニーの、大きなオークの木―何と深い夕焼けと日没
黒田征太郎のアトミック神話
古墳日和!黄泉の国のパワー
神を畏れよ!ビザンティン美術の二次元世界
地図というアルカディア―世界の古地図
天から光が降ってくる
太陽を背負って帰ってきた!―奥山民枝の旅
李朝民画の静かなる天地
こんな絵があった―たどり直す戦争画
妻が描いた、つげ義春
戦争はどこへ行った―会田誠
水中の犀と、火中の魚―堀晃の海
「甲斐大策」という空漠
白い太陽の来歴―後藤愛彦の楽園
化け物、乱入!―野見山暁治、アトリエの〓風の怪
著者等紹介
村田喜代子[ムラタキヨコ]
1945(昭和20)年、福岡県北九州市八幡生まれ。1987年「鍋の中」で芥川賞を受賞。1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子文学賞、1997年『蟹女』で紫式部文学賞、1998年「望潮」で川端康成文学賞、1999年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
62
”犀の角のようにただ独り歩め”(スッタニパータ) 前作よりだいぶ勢いづいてきた。 知らない画家も増えた。 世界中放浪し、ただ太陽があったことに気づいた、奥山民枝 絵なのに目がつぶれそうなくらい眩しい なぜだ。 3冊シリーズの3 間違えて2を飛ばす2022/03/13
禿童子
34
村田さんの好みと共鳴することが多い。三冊目になる『偏愛ムラタ美術館』。特に意見が一致するのは、藤田嗣治の「アッツ」をはじめとする戦争画。クリムト以外は知らない画家が多いが、村田さんにつきあって美術館を巡るようで楽しい。2020/11/18
コーデ21
21
偏愛ムラタ美術館シリーズ3冊目。「絵にのめり込むと、その中に入りたくなる」という村田さんに選ばれし絵は、どれも熱量大きくて、どえらい迫力のものばかり!1冊目2冊目以上にメラメラと滾るような熱さを感じました。私だったら絵の中に入るどころか絵の前で後じさりしてしまいそう^^ 後半の堀晃、甲斐大策、後藤愛彦のお三方の絵は初めて観る画家さん。超弩級の迫力にタジタジ~😅 直で観てみたいものです♡ アンドリュー・ワイエスは2019年に美術愛住館の展示会で観て以来、心に深く突き刺さったまま。2022/02/03
花林糖
19
(図書館本)シリーズ3冊目。印象に残った絵はクリムト「鶏のいる庭の小道」、大塚古墳壁画、表紙絵。表紙絵は古い屏風に野見山暁治が正体不明の物体を描いたものですが、本文読むまで河豚だと思っていました。今回は壁画や古地図まであり幅広く楽しく読みました。「ぺったんこ好きのクリムト」が頭から離れません。2021/02/20
mick
4
文章が詩的で美しい。そこから想像される画家とその作品。文章を読みながら絵を思いうかべてからその絵を見る楽しみ。こんな作品があるのかと知ることが多い。このような贅沢な本がたくさん出版されるといいなあ。2021/02/16