出版社内容情報
パヨクも保守も大間違い! 法哲学、世界各国の憲政史を駆使して、無知で不毛な日本の憲法論議に終止符を打つ決定版憲法論!!
内容説明
護憲派はもちろん、改憲派も大間違い!条文にこだわればこだわるほど、憲法の精神から離れていく。パヨクから保守まで―無知で不毛な日本の憲法論議に終止符を打つ決定版憲法論。
目次
第1章 本物の憲法学とは法哲学である(なぜ日本では憲法論議が不毛なのか;穂積八束の憲法学を弟子たちはどう評価したか? ほか)
第2章 イギリス流立憲主義とその受容(イギリスには「統一的憲法典」は無いが、「実質的憲法」はある;コモン・ローとエクイティは、日本で言えば「先例と道理」 ほか)
第3章 世界各国における憲法観の違い(アメリカ憲法;ベルギーとデンマーク―模範的な立憲君主国 ほか)
第4章 立憲主義の本義を吉野作造に学ぶ(本来の立憲主義とはどのようなものか;吉野作造の言論を八つの柱で読み解く)
著者等紹介
倉山満[クラヤマミツル]
1973年、香川県生まれ。憲政史研究者。1996年、中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程を修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、同大学で日本国憲法を講義する。2012年、希望日本研究所所長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
15
題名とは違い、かなり真面目な、そしてハイレベルの本。法哲学・法思想・憲法思想というキーワードがぴったりの本。憲法とはその国の歴史と伝統に立脚して形成されるもので、憲法修律としては十七条憲法も含まれるというのは驚きだ。不文法のイギリス憲法典にはマグナ・カルタ以降含まれるのと同じだという。戦後の憲法学は条文解釈にこだわりすぎるというのも納得。国家主義・軍国主義・ファシズムも戦後は曲解しているというのも納得。やはり戦前の学者は偉い。戦後は劣化の度が激しい。2017/11/05
やす
12
倉山氏の憲法本は何冊か読んできたが、その中でもかなり読みにくいしボリュームがある。そして憲法学者が読むべき本であり、いかに日本人が憲法を理解していないのか分かる本。第一章は宮沢俊義のせいでかなり読むのが苦痛だった。そのかわり二章からのイギリスを中心とした憲政史はとても面白く読めたし、勉強意欲が湧く。デモクラシーの文字が一人歩きしているが、常識人吉野作造はもう少し評価されるべきじゃないだろうか。2018/02/21
ミナ
9
吉野作造は天才だ!憲法の条文よりどう運用するか、精神が大事!歴史も大事だし、国際法も大事!!など。憲法は変えれば良いと思っているけど変えるにしても憲法語るならやはり知って学んで吟味しなくては、良い憲法なんてできないのでは?2019/08/16
Рома
5
立憲的という観念が最後までモヤモヤっとしていた。9条について私なりに立憲的に述べるならば「憲法は国家の基本的なルールであり、また国家があるところに憲法があり、そもそも国家とは人々の集合によって成り立つ。国家が人々の生命やその財産を外敵が保護するのは自明であり、7世紀より対馬に防人を設置して以来、ずっとそうしてきたのだからわざわざ憲法典で定めるところではない」といったところだろうか。2017/12/08
エラリー
4
憲法を理解するには、条文そのものだけでなく、国の歴史も含めた背景を理解する必要がある。そのうえで運用することが本来の立憲主義である。なるほどおおいに同意できる主張であり面白かったが、他者への批判の中で見下したような表現が頻繁に出てくるのが気になった。感情的な言葉は使わない方がより説得力が増すと思うのだが。2017/10/07
-
- 和書
- 祈りの盾