電球交換士の憂鬱

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  • サイズ B6判/ページ数 269p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198640866
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

人々の未来を明るく灯すはずなのに。電球交換士は今日も事件に巻き込まれる!謎と不思議が絶妙にブレンドした連作ミステリー!

十文字扉、職業電球交換士。節電が叫ばれLEDライトへの交換が進む昨今、仕事は多くない。それでも電球にこだわる人の求めに応じて電球を交換し生計を立てている。人々の未来を明るく灯す……はずなのに、いく先々でなぜか巻き込まれるやっかいごとの数々。自分そっくりの男が巷で電球を交換してる? 最近俺を尾行してる黒い影はなんだ? 謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作集!

【著者紹介】
1962年東京生まれ。小説を執筆しつつ、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を行う。講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。著書に、映画化された大ヒット作『つむじ風食堂の夜』『レインコートを着た犬』『ソラシド』『電氣ホテル』『ガリヴァ-の帽子』など多数。

内容説明

世界でただひとり、彼にだけ与えられた肩書き「電球交換士」。こと切れたランプを再生するのが彼の仕事だ。人々の未来を明るく灯すはずなのに、なぜか、やっかいごとに巻き込まれる―。謎と愉快が絶妙にブレンドされた魅惑の連作集。

著者等紹介

吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京都生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作とデザインの仕事を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

れみ

129
「電球交換士」を名乗り様々な場所の電球を取り替える十文字扉が主人公のお話。現在のような近未来のような不思議な空気感のなかで、電球交換の仕事や行きつけの飲み屋で知り合う人などとのやりとりで淡々と物語は進みつつ、十文字を密かに「見ている」人の存在などミステリーのような要素にドキドキさせられる。すごく盛り上がるところがあるわけじゃないけど、こういう空気を味わうのも読書の楽しみのひとつだと思わせてくれる。2017/10/25

nico🐬波待ち中

90
電球交換士。この一風変わった肩書きを持ち、自身を不死身な男と自負する十文字の物語。行きつけのバーのカウンターに十文字たち常連客が揃いとりとめのない話をする様が好き。べったりじゃなく程よく距離を置く。でも仲良し。吉田ワールドはこんな穏やかな夜が似合う。私もみんなのお喋りに交じりたい。そして十文字の作る卵サンドが食べたくなる。不死身って羨ましいようだけれど、知り合いが居なくなっても一人この世に居続けるのは寂しい。いつか終わりが来るから今を楽しめる。限りある時を精一杯に生きる大切さをしみじみ感じた物語だった。2021/09/23

ひめありす@灯れ松明の火

84
『交換してください』彼女の声が熱を帯びた様に発光して響いた。『あなたの手で』この帯の文句がこの作品の全てだ。確かな熱を持つ温かな輝き。命のおわる間際の電球が作る、珈琲色の柔らかな世界。人の曲線を彷彿とさせる、電球の滑らかな硝子。不死身の電球交換士が今日もどこかで切れそうな電球を繋いでいる。照らしているのはそこにあるモノだけじゃなくて、その過去や未来や、思いを。終わらせたくないモノがある。いつもより少しハードボイルドで、いつもより少し隙のある世界。だからこそ、この物語は地続きに私達のすぐ傍に存在していそうだ2016/06/23

nyanco

84
タイトルに惹かれて…吉田 篤弘さんの作品、あまり読んだことは無いのですが雰囲気が良かったです。三崎亜紀さんの作品に登場する職業ほど突飛でない、しかし現実には居ないようで、もしかしたら何処かに…と想わせてくれる感じが素敵。一見やる気が無さそうでありながら、仕事に、そして十文字電球への思い入れの強さも良かったです。いきつけのバーの面々、かかりつけの医者、精神科医と、登場人物たちがとても魅力的。カレー屋や、和菓子の店、食べ物も店主も素敵でした。続→2016/03/02

そうたそ

66
★★☆☆☆ 電球交換士なる職業の男十文字扉を描いた連作集。もっとメルヘンチックな話なのかなと思いきや、意外にそうでもなかった感じ。とはいっても、いつもの吉田さんの世界観は損なわれておらず雰囲気はそのまま。ちょっと思っていた感じとは違って、個人的には期待はずれという感じかなあ……。「電球交換士」なるものを登場させる辺りは、吉田さんならではの発想。電球交換なんてこれからますますしなくなっていくんだろうなあ、とつくづく。LEDが普及していく世の中ではあるが、普通の電球の良さもまたあるんだけどなあ……。2016/04/04

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