ロゴスの市

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198640422
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

かくも、言葉と闘った男と女がいた! 男は言語の海を渡り、女は実世界に立ち向かう。現代が舞台の傑作長篇。これぞ編集者冥利!

至福の読書時間を約束します。乙川文学の新しい姿がここに!
昭和55年、弘之と悠子は、大学のキャンバスで出会う。翻訳家と同時通訳として言葉の海に漂い、二人は闘い、愛し合い、そしてすれ違う。数十年の歳月をかけて、切なく通い会う男と女。運命は苛酷で、哀しくやさしい。異なる言語を日本語に翻訳するせめぎ合い、そして、男と女の意表をつく、”ある愛のかたち”とは!? 二人が辿る人生の行く末は! 傑作恋愛小説。

【著者紹介】
1953年東京生れ。1996年『薮燕』でオール讀物新人賞を受賞、97年に『霧の橋』で時代小説大賞、2001年に『五年の梅』で山本周五郎賞、02年に『生きる』で直木賞、13年初の現代小説『脊梁山脈』で第40回大佛次郎賞を受賞。

内容説明

言語の海を漂う男と女―翻訳家と同時通訳の宿命的な旅路。静謐な熱情で女を見守る男。女は確かなものしか追わない。切なく美しく狂おしい“意表をつく愛の形!”

著者等紹介

乙川優三郎[オトカワユウザブロウ]
1953年東京生まれ。1996年「薮燕」でオール讀物新人賞。1997年「霧の橋」で時代小説大賞。2001年「五年の梅」で山本周五郎賞。2002年「生きる」で直木三十五賞。2004年「武家用心集」で中山義秀文学賞。2013年「脊梁山脈」で大佛次郎賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

520
恋愛小説としてはいろいろモノ申したいところ、お仕事小説にレビューをフォーカスしたい。'80年にICUで出会ったふたり。男性が翻訳、女性が同時通訳(通訳の最高峰)という道に分かれる。仕事の分野もそれぞれの性格も、水と油(作中では空と海)みたいなふたりの恋愛&お仕事小説。通訳も翻訳も、マネごとで小金を稼いできたわたしには身につまされる作品。どちらも突き詰めるところは、日本語(国語)なのだ。この作品を読みながら知らずに偶然ラヒリさんの受賞作を読み始めていたわたしは、究極の勝ち組だろう。2020/08/03

ヴェネツィア

418
アメリカ文学の翻訳者である弘之と、国際舞台で同時通訳として活躍する悠子。彼らは大学のサークルで出会い、共に英語に研鑽を積み重ねながら、やがて道は分かれてゆく。二人の資質の違いと境遇の違いが二人を時には接近させ、また時には大きく乖離させる。弘之は奔放に見える悠子に強く惹かれながら、物語の終盤まで彼女の心の軌跡がわからない。そうしたすれ違いが物語を編んでゆく。「ロゴス」(言葉)をキー・コードにしたところが秀逸な点であり、またそれは同時にもどかしさの所以でもあった。島清恋愛文学賞は、まことに悲恋に相応しい。2022/04/14

遥かなる想い

153
翻訳家 弘之と 同時通訳 悠子の物語である。 言葉を 職業とする 二人の性格の対比が 面白い。 立ち止まることを知らない 悠子の行動力と 振る舞い… そして 静かに 見守る 弘之 …20年にも渡る 二人の人生の先に 待っていたものは 何だったのか? ひどく 昭和の雰囲気が 濃厚だが、 王道の恋愛小説だった。2019/08/30

じいじ

110
『五年の梅』の初読みから『霧の橋』『屋烏』の感動で虜になった乙川氏の時代小説。現代小説にシフトした今作も、期待通りの美しい骨太で重厚な文体は健在です。Logos=言葉を生業にする男(翻訳家)と女(同時通訳)を主人公に、30年余にわたる「恋」と「言語」の神秘を綴った物語。ネタバレは回避したいので、恋の行方は詳しく書けないが、仕舞いの50頁は昂奮しました。こんな美しいドラマチックな恋愛をしてみたい、と思った。現代小説も素晴らしい乙川優三郎です。2018/10/10

Lara

91
本の帯紙に「至福の読書がここにある」「言葉が格闘する」とある。まさに、それを体感させてくれた。同時通訳者になった悠子と、翻訳家になった弘之の恋愛関係には、いらいらさせられ、とても歯痒かった。乙川優三郎氏の作品は初めてだったが、短い、簡潔、端正な文章は、無駄がなく、小気味よく読み進められる。二人の関係性は、最後に友人、小夜子が語るが、その内容には驚かされたが、悠子の事故死はちょっと「小説」過ぎた感じがした。あっという間に、読んでしまい、未だに余韻に浸っている。2020/09/22

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