身体的物語論

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身体的物語論

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198640132
  • NDC分類 770.4
  • Cコード C0074

出版社内容情報

「世界のニナガワ」が考える身体と物語。そこから見える現代人の精神の変化とは。我々日本人はどこへ行こうとしているのか?2016年5月に逝去した世界的演出家・蜷川幸雄。生前に彼が残した「身体」「物語」についての考察を書籍化。約60年の演劇人生のなかで、日本人の現代性を象徴する俳優たちの身体を見つめてきた。蜷川が俳優の身体を語ることは時代を語ることであり、人間存在の本質を考察することでもある。雑誌掲載されたものを再編集し、本書だけに語った語り下ろしインタビューを掲載した。構成・木俣冬による関係者らの証言を集めたレポートも併録。

蜷川幸雄[ニナガワユキオ]
著・文・その他

木俣冬[キマタフユ]
著・文・その他

内容説明

世界のニナガワが最後に語った身体と物語と半世紀の演劇史。隠された日本人の精神とは―演劇における若者と老人の身体性と狂気、日本人と物語の相関関係、時代の変化。芸術とメディアのあるべき姿まで語り尽くす。蜷川幸雄が残した、日本人へのメッセージ。

目次

1 尖る身体、ツルツルな身体、演劇とメディアと物語論(若者と老人;日本人と物語;日本人とメディア;カリギュラ、武蔵、熊、カフカ)
2 ラスト・インタビュー 蜷川幸雄、その人生と作品(考えながら動くことは新鮮で不自由;“日常”を演じること ほか)
3 そもそも演劇は、公共的なものである(ファウストはランボーだ;価値観を転倒させようと七転八倒 ほか)
4 最後の少年―蜷川幸雄が描いた7人の次世代(1978年―軽薄の次世代と;1988年―わずかな希望 ほか)

著者等紹介

蜷川幸雄[ニナガワユキオ]
1935年、埼玉県生まれ。演出家。劇作家の清水邦夫とタッグを組み、「櫻社」を結成。1960年代後半から70年代の小劇場界をリードする存在に。70年代後半からは大劇場、商業演劇などに活躍の場を広げる。幅広いレパートリーで知られ、国際的にも活躍。2016年5月、逝去

木俣冬[キマタフユ]
文筆家。映画、ドラマ、演劇など文化・芸術分野の執筆を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

arisaka

7
演劇が映像作品と決定的に違うことは、生身の人間の存在感であると思う。何一つ隠すもののない肉体を観客にさらす覚悟と、その役者の覚悟を受け止める観客。その日その劇場にしか存在しない物語を役者の肉体を通して受け取り、咀嚼し、自分の中での糧とする。肉体にこだわり続けた蜷川さんによる演劇論。ネクストシアターとゴールデンシアターは、やはり観ておけばよかったなと後悔しきり。不在から3年。不在の在が日毎に大きくなっていく。2019/10/31

nightowl

6
御本人が生きているときの舞台はテレビでジャン・アヌイの「ひばり」を見ただけで、「NINAGAWAマクベス」も「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」も亡くなってからの観劇。何故もっと演劇に早くはまらなかったのかと大後悔。これからの舞台論について突っ込んで聞きたいと思った所で終わってしまうのがとても残念で悔しい限り。バトンを託された俳優の方々の活躍を願ってやまない。2019/02/25

hiyu

6
物凄く読みやすい。冒頭から蜷川氏の偉大さが伝わってくるものであった。本書を読むにつれ、82年組をはじめとした本書に登場する俳優への愛情が強く感じられた。同時にこれからの日本人にも、日本という国への想いも。2018/11/06

Kentaro

4
ダイジェスト版からの要約 現代の30代の若者たちの姿形や皮膚感は皆、似ている。一様にヒョロッとやせていて、重心が高く、肌質がツルツルしていて表情が単調。それから声が小さい。コンピュータを中心にした生活が主流となり、ネットとケータイさえあればほぼ全てが済み、身体もコミュニケーションの形も大きく変わった。デジタルの進化自体はとてもいい事だし、そこから新しい身体表現が生まれる事を目撃できる世代がうらやましくすらある。ただ、デジタルの進化が世界全体の生活を画一化し、若者の顔を似せてしまうならばそれはもったいない。2018/07/26

mamaboo

3
怖いというイメージしかないが、演劇に対する思いが伝わってきます。2018/07/15

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