出版社内容情報
Charaレーベル創刊20周年記念企画、高遠琉加が贈るファンタジック・ミステリー!!
どこかの山の上にあるという、『天国ホテル』。そこでは、死んでしまった愛しい人に再会できる……。
慕っていた恩師を亡くして5年──。ピアノ教師の春希は、恩師である月彦の甥・康と
二人暮らしをしながらも、月彦への想いを振り切れずにいた。
そんなある日、教え子から耳にした『天国ホテル』の不思議な話。引き寄せられるように
春希は、康とともに旅行に出るが……!?
内容説明
行きたいと強く願う者だけが辿り着ける『天国ホテル』。そこでは、亡くした愛する人に、もう一度会うことができる―大切な人と永遠の時を生きるのか、愛する人との現実に戻るのか。人々の死者への想いが創り上げた幻想のホテルで、彼らの愛が試される―!!都市伝説で語られた、死者に会える幻想の館―高遠琉加が贈る初のダーク・ファンタジー!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青龍
17
BL色は薄く、最後の康×春希がなければ、一般小説として通用すると思う。皆さんが書いているように、このシーンは蛇足の感があるけど、BL小説とするには必要だったのかも。「死者に会える」というモチーフの漫画や小説は多いし、予想通りのラストではあったけど、読後感はいい。昔の映画のネタ(お墓を作る子供の映画、若い読者さんに伝わるのかな?)や、後書きを読むと、多分、作者さんは私より5歳~10歳下と思うのですが...ウルフガイのファンとは嬉しい限りです。2016/05/08
マシュ
16
葛西リカコさんイラスト買い。嫌いな上下2段レイアウトの為ずっと積んだまま数ヶ月、やっと読めた。読んでみると軽やかに流れていく読みやすさ。生きている人間が死者に強く会いたいと思った時に“天国ホテル”に到着する。そこで死者と再会できるんだけど、目の前の現実を受け入れられず戸惑いながらも愛する人とのひと時に酔いしれ、決断していく。春希は一緒に住んでいる康の亡くなってしまった叔父の月彦が特別な存在。自分を見てくれず、でも春希を想う康の気持ちが切なかったけど、お互いが相手に踏み込む勇気を得て良かった。読んでよかった2018/05/13
しましまこ
15
大好きな世話焼き年下攻めなんだけど、死者に再会できる『天国ホテル』が半端にダークでちょっと残念?2015/07/13
リリー
14
綺麗な作品でした。題名も表紙も内容も。5年前に亡くなったピアノの"先生"を忘れられない春希。生前通り先生の甥・康(こう)と同居しながらピアノ教師を開いているが、生きることに積極的になれない春希を、康は歯がゆく思っている。そんな中、春希は生徒から"天国ホテル"の噂を聞く。そこでは死者が甦り、痛みも悲しみもないままに共に暮らせるという…。SFファンタジー色が強く、恋愛要素は薄め。なので最後の康×春希シーンは蛇足に感じました。BL設定がなければ、一昔前の角◯ノベルズっぽい雰囲気もありました。2016/03/28
Melon Matsuda
14
大好きな高遠さんもキッチリ読む☆ 葛西様の絵が美しすぐるの一言に尽きる。噂で聞いていたけれど、怖いの苦手な私でも読める程度のホラーで良かった。どんな話もソツなくこなす高遠さん。高遠さんらしく、重いテーマだけれども、私がそういうの好きで読み慣れているせいか、高遠さんの文章のせいか、そのへんはサラーッと読めてしまった。高遠さん文章上手いし、大好き。あとがきに、子供の頃、乱歩で育ったようなこと書いてあって「同じ! 同じ!」と興奮したけど、今は怖いの苦手だから読めないな。年も近いのかな?2016/01/26