敗れざる幕末

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  • サイズ B6判/ページ数 515p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198633875
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

『日本外史』で幕末の歴史を変えた頼山陽。黒船来襲という国難に立ち向かった若き筆頭老中・阿部正弘。二人に仕え、篤く信頼された男がいた。福山藩儒者・関藤藤陰。変転する時代の波に翻弄されながら、攘夷派と開国派をつなぎ、五十代で未踏のエトロフを探査。齢六十にして、民を戦火から護ろうと身命を賭す―。

著者等紹介

見延典子[ミノベノリコ]
1978年、早稲田大学卒業直後に「もう頬づえはつかない」を刊行、大ベストセラーに。2007年、『頼山陽』で第27回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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maito/まいと

14
幕末という時代を、思想という観点で描く、かなり斬新な歴史小説。偉大な思想家であった頼山陽の著書が、いかに幕末の大きな流れを構築したかが、弟子・石川渕蔵を通じて描かれており、結果を当たり前のように学んできた私たちに、幕末の大きな要素を教えてくれる。山陽思想の扱われ方が、本人の意図した方向へ行かず、理不尽な解釈や、歪んだ方向で受け入れられる悲劇。伝えることの難しさは今も昔も変わらないなあ・・・また、老中阿部正弘側から見た幕府改革が具体的に描かれているのも大きな特徴。従来の幕末モノでは飽き足らない方にオススメ☆2012/07/07

田舎っぺ狸

2
幕末を老中阿部正弘側から書いた貴重な歴史書である。主人公は頼山陽の弟子石川渕蔵であるが、山陽亡き後の山陽史学の扱われ方、理不尽な解釈等々描かれ、「実際の山陽は違うんだよ」「歴史をちゃんと冷静に分析して理解してね」という作者の思いが強烈に表に出ていて、大変すがすがしい小説だ。2012/06/28

hakodadi

1
頼山陽の評伝で有名な身延典子が幕末の福山藩主=老中首座阿部正弘に仕えた武士・儒学者、関藤藤蔭の生涯を描いた。前半ではペリー来航時の対応で評価が半ばする阿部の苦悩が、後半では将軍徳川慶喜の「二心」ぶりが対照的に描かれる。阿部の死後の福山藩は戊辰戦争への対応で官軍への忠誠を試され、箱館戦争への出兵を迫られ、多くの犠牲者を出したという。確かに箱館戦争での福山藩兵の戦いは史実にもあるが、その背景には阿部老中以来の同藩の難しい立ち位置があっのかとあらたてめて知ることができた。幕末史への新視点をえるのに好適の書。2014/04/30

児玉憲宗

1
人物描写、心理描写が巧みで、関藤藤陰をはじめとする登場人物ひとりひとりが深く細やかに、そして魅力的に描かれています。それが、ぐいぐいと物語世界にひき込む力となり、長編にもかかわらず、一気に読めました。2012/04/26

プラス塾長

1
幕末ものではあるが、主役は有名ではない関藤藤陰なる人物。私も本書で初めて知った。老中阿部正広の側近だった人物である。幕末物は黒船来航くらいから書かれているものが多い中で本書はそれより前がたくさん書かれていて私も知らない事が多く勉強になった。しかも幕末物だとどちらかと言えば無能ぶりが描かれる幕府側。その中の老中阿部正広に視点をあてているのは面白かった。見方を変えれば、こういうとらえ方もあるのかと感心。たまたま図書館の新書で目にしたのだが読めてラッキーだった。2012/06/28

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