内容説明
東電と政府は現実を直視せよ。このまちから日本は甦る!You TubeからのSOSで米タイム誌『世界で最も影響力のある100人』に選出された首長に、『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(毎日出版文化賞受賞)の東京大学大学院生が聞く。震災・津波・原発事故―怒れる地方自治体の叫び。
目次
第1章 現在、そしてあの日の回想
第2章 東電と政府がこのまちにつけた傷跡
第3章 被災地の首長としてすべきこと
第4章 被災者感情と、復興を妨げる放射能
第5章 なぜ自分は市長になったのか
第6章 未来の南相馬市と地方自治のために
著者等紹介
桜井勝延[サクライカツノブ]
昭和31年生まれ。福島県南相馬市出身。岩手大学農学部を卒業後、酪農に従事。平成15年3月4日から平成22年1月10日まで南相馬市議会議員を2期務める。平成22年1月29日から南相馬市長。You Tubeで東日本大震災に見舞われた同市の被災状況を訴え、米タイム誌から「世界で最も影響力のある100人」に選ばれる
開沼博[カイヌマヒロシ]
昭和59年生まれ。福島県いわき市出身。東京大学文学部を卒業後、同大学院学際情報学府博士課程在籍。専攻は社会学。著書『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社)で第65回毎日出版文化賞/人文・社会部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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南太平洋
6
『放射能を背負って』を読んでおおまかにわかったつもりになっていた震災当時のできごとを、あらためて当事者である桜井市長から直接伺っているような気持ちになった。南相馬市のために文字通り闘い続ける桜井市長だが、先日訪れた相馬野馬追で市民の方にお話しを聞いたところ意外にもその評判は芳しくなかった。すべての人が納得できる市政はかくも難しいということか。ともあれ福島の一日も早い復興を祈るばかりである。2012/07/31
sasha
5
めっちゃ前向きだわ、桜井市長。これはこの人が持って生まれた資質なのかもしれない。そして、中央の政治家や官僚と本当に闘っている。東日本大震災と福島第一原発事故に見舞われた地で、それでも踏み止まって「ふるさと」と「市民」を守ろうとしているのだも。作業着姿の市長は、どこにでもいるおじさんのようだがその心のうちは熱いし、いろんなアイデアを持っている。被災地が一日も早く復興するよう祈りたい。2014/03/07
takao
2
ふむ2020/12/12
どりたま
2
市長の前向きな性格が非常によく伝わりました。今までタイム誌の世界で最も影響力のある人100人に選ばれた人ぐらいの知識しかなかったのですが、この本で闘う市長の姿勢がよくわかりました。日本のマスコミはこの市長をもっと重視すれば、福島の再生が早まると思いました。放射能は危険だという認識はかなり市民感覚の中に浸透していると思うので、これからは本格的な再生のための努力をする時期になったとこの本を読んで思いました。2012/05/26
河童
2
被災地、その現場を背負った市長の苦悩が良くわかる。だが、市民を被災現場に踏みとどまらせた市長の判断が正しいとは今の私には言えない。将来現れるであろう放射能の被害が少しでも少ないことを祈るのみだ。 ただ、このひと、とってもいい人なんだ。それだけに東電と政府の罪の重さを感じる。2012/04/24