内容説明
湖の小舟の上でひとりで暮らす貧しい漁師のローおじさん。ふしぎなおばあさんからもらった種を植えてみると、見事なハスが生えてきました。そして、ハスのつぼみのなかから、リアンという女の子があらわれ、それから夜ごと、魔法で、ローおじさんの暮らしを助けてくれました。でも、そのうわさを、王の欲ばりな娘が聞きつけ…?泥の中から清らかな花を咲かせるハスをモチーフに、花の精と親切な漁師の優しい絆を描く美しい大型絵本。
著者等紹介
チェンジャンホン[チェンジャンホン]
本名、陳江洪。1963年中国の天津生まれ。北京の中央美術学院を卒業後、87年パリに移住。フランス国内外で作品展をひらく。中国の伝統的水墨画の手法を用いた迫力ある絵が高く評価され、画家として成功を収める。96年に絵本作家としてデビュー、ヨーロッパ各国やアメリカでも翻訳出版され、好評を博している。ほかの作品に、05年にドイツ児童図書賞を受賞した『この世でいちばんすばらしい馬』(いずれも徳間書店)など
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生まれ。早稲田大学文学部卒業、中央大学大学院修了。中央大学講師、フランス文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tokotoko
48
★中国★大型絵本です。表紙からすでに独特の世界に引き込まれます。心の底から疲れたなぁ・・・って思った時に読まれた方ほど、文からも絵からも、滋養みたいなものをたーくさん受け取れるのではないか、と思います。絵は、中国の伝統的水墨画で有名な方が描かれています。いろんな色の墨と、力強いけれど柔らかい筆のタッチは、読者を、その中にすっぽりと包み込んでくれる力があります。文章もシンプルだけれど、絵にぴったり合っていて、途中から、読んでいるというよりも聞こえてくるようだ、と思いました。大好きな1冊になりました。2016/04/29
♪みどりpiyopiyo♪
44
湖の小舟の上でひとりで暮らす貧しい漁師のローおじさん。ふしぎなおばあさんからもらった種を植えてみると… ■昔話みたいな、ファンタジックで優しいお話を読みました。昔話の定番な 優しさが報われるお話で終わるかと思ったら それだけに留まらず、最後 ほんとにっこり♡ ■泥の中から清らかな花を咲かせる蓮をモチーフに描く、優しい絆のお話でした。この人の絵本、もっと読みたいです♪ (2004年)2018/10/03
anne@灯れ松明の火
30
読友さんオススメ。ハスが大好きで、自分でも育てたことがあるし、毎年、必ずどこかへ観に行く。こんな絵本があったとは知らなかった。読友さんに感謝!隣市書庫から。親切にしたお礼にもらった種を植えたローおじさん。美しいハスが育ち、その花から生まれたのは花の精リアン。穏やかに暮らすふたりの前に現れたのは欲の深い王女……。リアンのかわいらしい動きと幸せなラストにほっこり。2019/07/20
Maiラピ
22
中国出身でパリに移住して、各国で活躍している画家チェン・ジャンホンさんの絵本。中国の伝統的手法の墨絵が素朴な昔話っぽさをまといお話がストレートに伝わってきます。蓮の赤い色がきれいです。リアンは人間の女の子になりたかったのね。おじいさんと肩を並べて釣りをしてる絵がかわいい。2011/06/05
紅花
19
昔話の定番、魔法をもった少女が働き者を助ける。までは良くある展開なんだけど、最後のリアンの結末に「あっ」と息を呑む。本当の幸せをつかんだんだよね。最後の二人の働く姿が愛おしく美しい。是非読み聞かせに。2016/01/24