内容説明
高校時代に巻き込まれた放火事件をきっかけに、望んで火災原因調査員となった茜。心から尊敬できる上司・刀根の下で働ける幸せを感じる日々も束の間、たったひとつの小さな炎が、平和な職場を一変させてしまう…。どうにか自分の手で放火犯を捕まえたいものの、職業上、火災現場以外での活動は許されない。しかし、なりふり構わぬ茜は、捜査権を武器に嫌がらせをする警察とぶつかりながら、ついに“弔い”の調査をはじめる。
著者等紹介
中野順一[ナカノジュンイチ]
1967年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学教育学部卒。2003年、『セカンド・サイト』(文藝春秋)で第20回サントリーミステリー大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フキノトウ
26
消防吏員として働く新見茜が主人公。茜の苦い記憶と、上司の突然の死、連続する放火。犯人は、早いうちに想像できましたがぐいぐい読めました。消化弾という、消火器に変わるものがあるなんて知りませんでした。2017/06/16
のほほん@灯れ松明の火
15
なんだか 切なかったです。 あぁいう形で 自分を導いてくれる仕事での師ともいえる大事な人を亡くしてほしく無かったです。 2010/09/26
たこやき
6
諸々の理由で、登場した瞬間に「こいつが犯人」と判った(苦笑) 過去の事情から、主人公・茜が警察に不信感を持っているのは仕方がないにせよ、警察の嫌がらせではなく、茜が勝手に暴走していく様にこれまた苦笑い。茜自身の過去が過去なだけに、余計に感情移入が出来なかった。ちょっと厳しい評価にならざるを得ないかと思う2010/05/20
zanta
5
想像したイメージとはずい分違っていて。勝手な想像をしたのがいけないんですが。読みやすい本ではありました。関係ないけど、私は中学までマッチで火をつけられなかった過保護な人間でした。理科の実験で皆に白い目で見られた事をハッキリ記憶しております。ライターで至福の時を過ごす今の私。あれから40年、って言われそう。あ。ライターで至福と言ってももちろん放火じゃありません。今時流行らぬ喫煙者であります。お粗末。2013/03/26
septiembre
5
消防吏員という仕事を知りました。怪しい人物を見つけても警察に言えなかったのは警告されたからだけじゃなく自分の過去のできごともあったのだろう。こんなにがんばっているのにこの結末はやりきれなくて読後タイトルがずっしりきた。2010/09/22