内容説明
クラスの雰囲気をつくる“裏掲示板”。発言力のあるやつにビクビクする日々。目立たないよう適当に過ごせればいいと思っていたぼくが、変わりたいと思った。自分らしくあることの大切さ、素敵さ。そのことに気づかせてくれたのは、君―。坪田譲治文学賞作家が贈る青春群像劇。
著者等紹介
関口尚[セキグチヒサシ]
1972年栃木県生まれ。茨城大学大学院修了。映画館の映写室でアルバイトをしながら小説を執筆。2002年「プリズムの夏」で第15回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。07年『空をつかむまで』で第22回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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七色一味
26
読破。湘南にほど近い、そこそこなレベルの高校の3-A。このクラスにはヒエラルキーが存在し、クラスの裏サイトが存在する。主要な登場人物は楓、リッツ、真悟、そして美玲と凌とあと一人で、それぞれがそれぞれの想いや葛藤を抱えながら、1つ、勇気を示す。それは「自分」を通す勇気だったり、誰かをかばう勇気だったり、間違いを認めて謝罪する勇気だったり──。 作品自体のテーマがテーマなだけに、傷つき、傷つけ合ってしまう、不器用な「若さ」は暗鬱としがち。(続く)2012/07/12
そのぼん
26
王道の青春ものでした。 高校生の日々の生活が繊細に描かれていました。『裏サイト』がちょっと不気味でした。2012/06/16
佳音
24
リーダー格の美玲に睨まれ、女子から孤立する彼女。美形ゆえ彼女をかばっていた男子グループも自分の意思を貫く彼女の態度に怒り、彼女をイジメ始め・・・。その攻撃はついに裏サイトに書き込まれるまでになった。でも、彼女は揺らがない。 なぜなんだ?周囲を気にしているボクと違って自分を貫く彼女。そんな彼女からボクは目が離せない。そして、ボクは、孤立しても強くいようとする彼女の秘密を知る・・・。2013/02/13
MOKIZAN
21
藤沢市鵠沼周辺(お解りにならない方は、江ノ島の西側の海岸淵だと思ってください。カバーは東側海岸になっていますけど)を舞台にした高校生物語。(進学校とのことだがS南高校ではないようだし、鵠女(死語)なわけないな)全般として、湘南のギラギラ太陽より夕陽が似合うトーン。ちょっとキャラクター設定が雑じゃないでしょうか、それぞれの陰陽2面性を表現したかったのでしょうけど。クラス内の善悪や階級が、現場ではなくて、ネット内で確立される現代の気質、恐いなあ。2017/04/03
takaC
12
話が出来過ぎているし、皆高校生にしては大人だけど、いいなぁ、青春って。2010/10/19