内容説明
むかしむかし、花をあいする皇帝が、およつぎをえらぶことになりました。皇帝はくにじゅうのこどもに花のたねをわたし、たいせつにそだて、いちねんごとにみせにくるようにといいました。そのなかからおよつぎがえらばれるのです。花をそだてるのがだいすきなおとこのこ、ピンも、皇帝にもらったたねをまきました。ところが、どんなにせわをしても、たねからめがでてきません。とうとういちねんがたち、きゅうでんにいくひになりました。こまったピンは…?子どもの勇気と誠実さを描いた、愛らしくも緻密なイラストが魅力の絵本。
著者等紹介
デミ[デミ][Demi]
1942年アメリカ、マサチューセッツ州生まれ。中国人の夫が語る昔話や、さまざまなアジアの物語を中心に、100冊以上もの子どもの本を出版している人気作家。緻密で力強いタッチの絵が特徴。ワシントン州在住
武本佳奈絵[タケモトカナエ]
1974年東京生まれ。アメリカ、モンタナ州の大学でカウンセリング心理学を専攻。帰国後、都内児童書専門店、洋書専門店で書店員として勤務。赤ちゃんから大人まで、それぞれがたのしむことのできる子どもの本の紹介、翻訳につとめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
145
私は正直者になれるだろうか。置いてけぼり、疎外感から耐えられるのだろうか。自問自答。地位や名誉に興味はないが、寂しさには弱い。…人は自らのために小さな嘘を重ねる。厚みを増すほど嘘の重みにつぶれていく。…ピン少年は、皇帝にもらった種を誰よりも長く、土の上から見つめていた。種の気持ちになって、喉の乾きや寒さ暑さを心配していた。その行いがすべてを物語っている。…どんな姿であっても、どんなに辛いときであっても、その逆境から生まれる優しさや思いやりは、皆の心に響き、その人の心に深く刻まれ、思い出しては温めてくれる。2021/10/15
☆よいこ
56
花を愛する皇帝が、世継ぎを選ぶことにした。子ども達に花の種を与え、大切に育てて一年後に見せに来るようにといった。その中から世継ぎを選ぶという。ピンは一生懸命に花の種を育てようとしたが、どう世話をしても芽が出ない。一年後、ピンは正直に何も咲いていない鉢植えを皇帝の所に持っていく。▽正直者。2020/02/03
円舞曲
30
繊細な綺麗な絵です。最初に素話でお聞きしました。2015/01/04
ケ・セラ・セラ
21
丸く切り取られた絵は、むかしむかしの異国のお話を双眼鏡で見ているよう。花が大好き、花を育てるのが上手な男の子ピン。皇帝が世継ぎさがしに国中の子どもに花の種を配りますが、一年経ってもピンの種からは芽が出ません。大人には話の筋は見えてしまいますが、ピンの気持ちに寄り添う子どもであって欲しい。誠実であれ。2020/02/26
Cinejazz
19
〝むかし、花を愛してやまない皇帝がいました。 ある日、花の世話をしながら「余も年をとってしまった。そろそろ世継を選ばねばなるまいな」・・・次の日、皇帝のおふれが国中に伝えられました。 <この国の子どもたちよ! 宮殿にて皇帝陛下より花の種を受け取り、その種を大切に育て、一年後に陛下にお見せするように。その子どもたちの中から、皇帝の世継が選ばれる!>・・・「皇帝から貰った種なのに、どうして花が咲かないの?」と、いつも美しい花を咲かせる<ピン>という男の子が、恥じながら宮殿へ・・・〟正直さと勇気を讃える訓話。2024/04/21
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