ロジーナのあした―孤児列車に乗って

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  • サイズ B6判/ページ数 265p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784198627263
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8097

内容説明

一八八一年アメリカ中部シカゴ、寒い朝。あたしたち二十二人の孤児は、養い親になってくれる人をさがすために、西部行きの列車に乗った。ほんとうに新しい家族が見つかるのかな。どこかの農家にひきとられ、奴隷のように働かされるんじゃないかな。パパ、ママ、どうして死んじゃったの?会いたいよ…。あいついで家族を亡くしひとりぼっちになり、心をとざしていた十二歳のロジーナ。引率の冷淡な女のお医者さんから、年少の子どもたちの世話をまかされ、めんどうをみるうちに…?元気な孤児の少年たち、ロジーナをたよりにするのろまな少女、偏見に満ちた大人、大草原の穴倉で暮らす貧しい子だくさんの一家、花嫁募集の新聞広告で見も知らない人へ嫁いでいく女性…「孤児列車」の旅でのさまざまな出会いを通し、ひとりの少女が「家族」という居場所をさがしもとめながら成長していく姿を丹念に描く、感動の物語。小学校高学年~。

著者等紹介

クシュマン,カレン[クシュマン,カレン][Cushman,Karen]
1941年、アメリカ・シカゴに生まれる。行動科学と博物館学を学び、いくつかの仕事と子育てを経験したのち、五十歳のとき作家活動を始める。中世のイギリスを舞台にした『アリスの見習い物語』(あすなろ書房)でニューベリー賞を受賞。時代背景を丹念に調べ、さまざまな時代の少女の成長をあざやかに描く作風には定評がある

野沢佳織[ノザワカオリ]
1961年生まれ。上智大学英文学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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どんぐり

73
アメリカの「孤児列車」(orphan train)を題材に描いた児童書。物語は22人の孤児が、シカゴ川に近い鉄道の駅で養子縁組仲介人と一緒に孤児専用の車両に乗り込むところから始まる。孤児列車は1854年から1929年まで行われていた慈善事業、多くは子どもの労働力を求める養子縁組で約20万人の孤児が里子となった。ニューヨークを起点に、シカゴ、オマハ、グランドアイランド、シャイアン、オグデン、リノ、そして終点のサンフランシスコに至る大陸横断。途中、途中の駅で、孤児援助協会の「求む 孤児をひきとってくださる家庭2016/07/20

帽子を編みます

53
図書館で目が合って借りました。孤児列車の本は2冊目です。これは孤児の中でも最年長ロジーナの視点で描かれた物語。孤児が集められシカゴから西部行きの列車で移動する、新しい町で新しい家族に引き取られるために。辛い旅です、ジャムサンドにりんご一個の食事、着替えやベッドでの睡眠もままならず、引率の女性(ドクター)も冷たい雰囲気。いろいろな出来事がありました、皆養子に引き取られ最後はロジーナ一人が残りました、さあどうなる?女性が自立するのが難しい時代ロジーナの選択は?この結末は希望が詰まってホッとしました。2024/01/06

はる

53
両親をなくして孤児となったロジーナは里親を求めて「孤児列車」に乗り込む。しかし年長だった彼女は一緒になった幼い孤児たちの世話をさせられることに…。実在した「孤児列車」を舞台にした少女の旅の物語。過酷な運命に晒されているにもかかわらず、活発で生気溢れる子供たちの姿に胸がつまる。無邪気さの裏に諦めの気持ちが透けて見えるのが切ない。引率者のクールな女性医師がもう一人の主人公ともいうべきで、悩みを抱え葛藤する彼女とロジーナとのふれあいがあたたかな読後感を生んでいる。2018/03/14

ぶんこ

40
シカゴの孤児院に居た子、浮浪児だった子が集められて西部の町へ列車に乗る。22人の子どもたちの最年長者だった12歳のロジーナは、小さな子たちの面倒を見ながら旅を続けるが、本当に家族の一員として引き取ろうととする人は現れない。最後に残った4人のうち、トロいと言われている可愛いレイシーと乱暴者のサミーとジョンが引き取られた時にはホッとしたものの、残されたロジーナの行く末を思うと読み続けるのが辛かった。冷たいと思われた付添人のドクターと心が通い始めるロジーナ。不安を抱えた二人が西部で幸せになりますように。2018/04/18

ソングライン

21
1881年のシカゴ、ポーランドからの移民の子供12歳のロジーナは、最後に残った家族、母を亡くし孤児となってしまいます。彼女が乗せられた列車は、育ての親を探すためにアメリカ大陸を横断する孤児列車でした。両親を失った悲しみ、未知の土地に連れていかれる寂しさ、本当に自分を愛してくれる人々に出会えるのかという不安、里親の決まった子供たちとの別れなど胸が詰まる思いをロジーナと共有する読書です。最後に一人残ったロジーナの素直な本音の叫びと幸せの予感に涙しました。2019/01/29

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