内容説明
絵師ハン・ガンの描く馬は、あまりに生き生きしているため、絵から飛びだし、生きて動きだす、という噂があった。いくさが都にせまったとき、ひとりの武将がハン・ガンをたずねて、たのんだ。「わしのために、この世でいちばんすばらしい馬を描いてはくれないか?」と…。幼いころから絵の修業にはげみ、宮廷の絵師となった青年と、青年の絵から生まれて戦場を駆け、いくさの真実を目にした馬の、心ゆさぶる迫力の大型絵本。2005年度ドイツ児童図書賞受賞。
著者等紹介
チェンジャンホン[チェンジャンホン]
陳江洪。1963年中国の天津生まれ。北京の中央美術学院を卒業後、87年パリに移住。フランス国内外で作品展をひらく。中国の伝統的水墨画の手法を用いた迫力ある絵が高く評価され、画家として成功を収める。96年に絵本作家としてデビュー、ヨーロッパ各国やアメリカでも翻訳出版され、好評を博している。『この世でいちばんすばらしい馬』が、05年にドイツ児童図書賞を受賞
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生まれ。早稲田大学文学部卒業、中央大学大学院修了。中央大学講師、フランス文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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KAZOO
153
中国の作家によるすばらしい絵本です。1200年前にいた中国の絵師(この絵師の作品はパリの美術館にもあるようです)を主題にした話で、本当に馬が躍動しているさまがよく描かれています。この本の絵も当時と同じように絹に絵を描いているようです。色合いも素晴らしく目の保養になりました。2016/10/08
アキ
89
8世紀「馬と馬引き」ハン・ガン作。パリ・セルニュスキ美術館所蔵。絹地に墨と絵の具で描いたもの。馬の絵から本物の馬が飛びだし、武将と共に大活躍するが、戦いで殺される馬たちを目の当たりにし、絵の中に戻った話し。ハン・ガンの描く馬は、まるで本物の馬をそのまま絵に閉じ込めたように見えることからフランス在住のチェン・ジャンホン作・絵。平岡敦・訳。2005年ドイツ児童図書賞受賞。https://www.repro-tableaux.com/a/gan-han/a-groom-with-horses.html2022/02/12
しゅわ
45
【図書館】大人にも読んで欲しい絵本リストからのチョイス。いまから1200年以上前の中国、とても素晴らしい馬の絵で知られたハン・ガンという画家をモチーフにした不思議なものがたりです。当時と同じ手法…絹地に描かれたという絵の迫力に圧倒されます。最初、図書館で本をみたときは(一般的な絵本より)大判だったので驚きましたが、この力あふれる絵には必要な大きさですね。特に馬の目からあふれる大粒の涙のシーンは必見です。2014/05/04
gtn
38
巻末にあるハン・ガンの真作「馬と馬引き」の写実と躍動感に目が吸い寄せられる。中国は八世紀にしてこのような作品を生み出していた。中国文化の奥深さを知る。2019/10/05
ヒロ@いつも心に太陽を!
37
とても迫力のある絵、とにかく上手い!走る馬の勢いに圧倒され、馬の流す大粒の涙は胸に迫りくるものがある。この話は創作とのことだが、主人公のハン・ガンは今から1200年以上前に実在した中国の画家とのことで、最後にその絵を見て「なるほど」と納得。どういう手法で描くとこんな雰囲気が出るのかと思ったら、絹地に墨と絵の具で描くらしい。すごいわ、これ・・・。2011/01/22
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