内容説明
戦争が終わって何年か経ったとき、十七歳のぼくは、三十二歳になった彼女と再会した。小学生の頃に憧れていた女の先生エマが、ぼくの高校の教師として転任してきたのだった。年寄りばかりの先生たちの中では、彼女はきれいだったし、いつも励ましてくれるいい先生だった。ぼくは胸をときめかせた。だが、ぼくの毎日はラグビーと進学のための勉強でいっぱいだったし、エマの方は、婚約者を戦争で亡くし、今は同僚の先生とつきあっているという噂だった。だから、普通ならあんなことは起こるはずがなかった。なのに、ぼくたちは恋に落ちた。ほかに何も、目に入らなくなった…。年上の先生と恋に落ちた十七歳の少年ロビーの日々を、ラグビーチームの個性豊かな仲間たちや、ロビーに惹かれる素朴なクラスメートの少女、理不尽な校長や大好きな祖母など、まわりの人々との交流の中で描きだす、みずみずしい物語。自信と劣等感、粗雑さと繊細な優しさが混在し、生命力に溢れる「十七歳」の肖像が、くっきりと浮かびあがる、巨匠ウェストールによる、深く心を揺さぶられる青春の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tellme0112
7
metooが叫ばれるニュースを思い出しながら。双方の合意ってどこで確認するのかな。避妊してないなこれ。雨降りすぎ。こんな感じなのかなー。あと、階級でスポーツ違うとか思い出した。ラグビーにもオフサイドってあるんですか?「正義を行おうとしているのに周りの目を気にしすぎる」になるほどと思う。2018/05/10
とりぞう
4
『弟の戦争』のウェストール。『弟の戦争』にでてきた父子のラグビーも良かったけれど、本作もかなりラグビーについての言及あり。ただ、1995年以前の、厳格なアマチュアリズム時代を知らない人には全くわからないかもしれない。とりあえず、タイトルにはまいった^^。ウェストールが本作を書いた意味なんかも、ちょっとぼくにはわからなかった。好きなモチーフはいろいろあったけれど、ちょっとテーマについていけなかった感じ。 2016/01/24
naonchi
4
ウェストールの恋愛小説と聞いてビックリ。しかも死去された年に書かれたと聞いては読まなくちゃね。なんとも冴えないタイトルながら、倍ほども年齢が違う女性教師との恋なんてスキャンダラスな内容。時代の道徳観と、年代を問わない若者の世界観を絡めつつ、どこか清々しく切ない恋模様。どうして晩年になってこの話を描いたのか、主人公がウェストール自身を反映しているのかしらん。相変わらずYAだからという甘えのないしっかりとした筆致と描写。ウェストールさん、もっともっと読みたかったです。2012/07/09
道錬
0
やっと読み終わった。恋愛と学校内での出来事の二つの場面を行ったり来たりするのが、ちょうど場面転換になっていて一つ一つの場面を小分けにしてくれている。2017/04/21
boooook
0
終わり方がよかった。2008/12/17