内容説明
新生児に先天的な脳障害を引き起こす「ゲノム・ウイルス」。この新種ウイルスによって甚大な被害を被ったアメリカ合衆国では、自然出産を禁止し、体外受精や胎児のDNAスクリーニングが義務化されようとしていた。そんな中、遺伝子関連問題を専門に扱う弁護士ルドルフ・カイヨワは、ある病院の不正卵採取疑惑を調査するうちに、大きな陰謀に突き当たることとなった。彼は友人の私立探偵オタや、依頼人の美女ローラらとともに謎に迫るが、やがて自らの出生にまつわる秘密にもかかわることとなっていく…。選考委員各氏から、群を抜くリーダビリティーと、エンターテインメントとしての完成度を高く評価された、近未来ハードボイルドの傑作。03年、第5回日本SF新人賞の佳作に入選。
著者等紹介
北国浩二[キタクニコウジ]
1964年、大阪府大阪市生まれ。俳優業、フリーライターを経て、03年、『ルドルフ・カイヨワの事情』で第5回日本SF新人賞の佳作に入選。改稿・改題し、『ルドルフ・カイヨワの憂鬱』がデビュー作となる。埼玉県川越市在住
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感想・レビュー
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ベルガモット
2
近未来ということだけど、ごくごく近い未来に本当にこういうことが起こってしまいそうな怖さを感じました。ジョシュアに幸あれ。2010/03/03
フタ
1
面白かった〜遺伝子の問題も賛否両論というか、二律背反というか難しい。サムの境遇が悲しすぎる。2010/01/08
めー
1
面白かった! やっぱりこの作者さんの作品好きだー!2009/12/20
ありえない犬
1
優生主義者の思惑、国家の深謀、NASAの長期計画。体外子宮での人工授精はそれぞれの思惑によって推し進められる。物語の重厚さに大満足。この作者はもっと評価されてもいいはずだと思う。2009/08/19
kanamori
0
☆☆★2013/10/12