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テムズ川は見ていた

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  • サイズ B6判/ページ数 301p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784198616250
  • NDC分類 K933
  • Cコード C8097

内容説明

舞台はヴィクトリア朝のロンドン。煙突掃除の少年バーナクルがたまたま仕事中に聞いてしまったのは、イギリス政府上層部の犯罪だった。何の話か見当もつかなかったものの、あわてたせいで煙突から密談の行われていた部屋へ落っこちてしまったバーナクル。思わず机の上にあった銀のスプーンと金のロケットをつかんで、命からがら逃げ出すが、そのせいで秘密警察の執拗な追跡を受けることになってしまう。バーナクルのせいで穏やかな日常をおびやかされ、とんでもない事件に巻きこまれていくテムズ川のはしけ乗りたち。霧深いロンドンを舞台にくりひろげられる、格調高い児童文学。10代向け。

著者等紹介

ガーフィールド,レオン[ガーフィールド,レオン][Garfield,Leon]
イギリスの児童文学作家。1921年サセックス州ブライトン生まれ。美術学校に学んでいたが、第二次大戦中、医療部隊に従軍。戦後ロンドンの病院で検査技師を務めながら作品の執筆を始める。処女作『ジャック・ホルボーン』(1964年)の出版後、専業作家となる。十八世紀のイギリスを舞台にした歴史小説が多い。豊かなストーリー性のある作品でガーディアン賞、ウィットブレッド賞など、受賞多数。また、映画化・テレビドラマ化された作品も多い。1996年6月没

斉藤健一[サイトウケンイチ]
1948年福島県生まれ。東北大学大学院修了。英文学専攻。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

花林糖

19
ヴィクトリア朝のロンドンが舞台。中盤まで読み辛さがあり少し読むのを中断。再び読み始めると面白く後半は一気読みでした。テムズ川周辺の人々の暮らしぶりなどが興味深かった。読後感は◎。2018/02/16

ぱせり

13
トントンと音をたててたたみこまれていく終盤を面白く読みながら、似た者同士の二人の大人が気になっている。どちらにも守らなければならない別の「掟」がある。正義感が強く一本気。脇目もふらず、信じるまま一途に駆ける人たちの危うさが心に残る。2016/04/27

星落秋風五丈原

10
オープニング。カメラは、怯える女性を追ってゆく。カメラが テムズ川なのか。いや、どうやらそうではなさそうだ。だって彼女が 人目を避けて、狭い路地へ入ってゆくのに、カメラはためらいもせずついて ゆく。川ならば、橋を越えてはゆけない。そしてカメラの目の前で、あえなく女性は命を落とす。 そう、カメラは、ある人間の目である。その人間が、誰なのか。 大いに気になるところだが、我々の目は、一転、一気に高い家の煙突へ 向けられる。そこにいたのが、主人公、煙突掃除の少年バーナクル。2007/05/08

shoko

8
児童文学のミステリー。スリルはあまりないけれど、普通の人たちの普通の感性にほんわかする。主人公バーナクルの懸命さが良い。自分に親切にしてくれたゴズリングさんを守ろうとする様子はとても健気。バーナクルの葛藤もそうだし、クリーカー警部の行動も「良心」がポイントとなっている。舞台はヴィクトリア朝のイギリス。通りの名前等がたくさん出てくるので、自分がロンドンの街にトリップしたような気分がして楽しめた。2011/01/16

ヴェルナーの日記

5
ガーフィールドの作風は、ディケンズの筆致に似ていて人物描写に優れ、物語はスウィストや、スティーヴソンのように風刺の利いた冒険小説の雰囲気を持っている。ただ、人物描写に力点が置かれているため、主役よりも脇役の方が目立ってしまうのが玉に瑕であろうか。本作も主役バーナクルより、クリーカー警部や、ゴズリング、マクディパー夫人たちの方が立ち過ぎて、バーナクルの影が薄くなってしまっているのが残念なところ。しかし、19世紀のロンドンを見事に描いた秀逸な作品であることに間違いはないであろう。2013/12/20

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