内容説明
この世でいちばんの謎、それは妻の心！？何かに駆り立てられるように家を飛び出した妻が、大学時代の５人の同級生に配信した、５つのショート・ミステリー。ささやかな日常に潜む小さな軋みが、人生の落とし穴に変わるとき。そこに浮かび上がるのは、見知らぬ妻の素顔…。松本清張賞の俊英が描く異色のラブ・ミステリー。
著者等紹介
森福都［モリフクミヤコ］
１９６３年、山口県生まれ。広島大学医学部卒。９６年「長安牡丹花異聞」で第３回松本清張賞、「薔薇の妙薬」で第２回講談社ホワイトハート大賞を受賞
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感想・レビュー
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sin
36
デジャブーだ。この話を知っているという感じ、それが読み進むにつれて以前読んだことがあるという確信に変わった。最近、以前読んだ本の内容が思い出せなくなってきてはいるが、その本を読んだか読んでいないかは忘れるはずもないと思っていたのに、この焦燥感は妻の行方を推理する主人公のそれとは異なるが、この本の結末に異様な高ぶりを与えてくれるスパイスとなったようだ。それにしても自分は基本借りない主義だし読んだとしたらどこにしまってあるんだろう。2014/01/30
アコ
14
突然姿を消した妻。居場所を探る夫は電源が入ったままのパソコンに1通のメールと大学時代の友人宛に送られたミステリ仕立てのショートストーリー5話を見つける。これら＋謎解きの6話構成。登場人物の言葉遣いやノリの所々に古さを感じるもショートストーリーも多種多様でおもしろい。特に東欧周遊の『第三の女』と程よい生活臭のする『家庭菜園ノススメ』が好き。そして肝心の最後の謎解き。そう来たかー！と感心しながらページを遡ったりするも、どこか虚しさが残る。…他に手段あったよね？と。そういう意味で不思議な感覚。2016/09/08
Norico
12
中国時代もののイメージが強い森福さんだったので、ちょっと意外でした。家にいるはずの奥さんが、何の伝言も残さず慌てて家を出て行った謎を探る旦那さんのお話し。パソコンの中に奥さんが残したのは、五本の小話。各話ミステリを含んだ恋愛もので、ややブラックな結末もそれぞれ面白かった。2014/11/15
りっつん
9
帰宅すると嫁がいない。嫁の居場所はどうやらパソコンに残された５つのショート･ストーリーを読めばヒントがある。この設定はすごくそそられるし、ショート・ストーリーもなかなか良かった。ただここから導かれる嫁の居場所うんぬんというのがいまいちいただけぬ。軽快なのかブラックなのかどっちつかずで・・・・2014/05/13
星落秋風五丈原
4
5つの物語の中で、個々に起こる失踪事件や盗難事件の謎を解いていくのと 同時に、本題の妻の失踪への隠された手がかりを探る、という 加納朋子作品「ななつのこ」「魔法飛行」に似た二重構造を持つ この作品は、同級生が映画好きだった設定なので、映画にちなんだ タイトルや話がよく出てきます。実はこういう構成好きですので、 キィ・ワードはどこにあるのか、探すのを楽しみにして読みました。2002/12/18
