内容説明
全高23メートル、重量78.5トン、巨大合体ロボ「ダブルオー」は、国民の血税でつくられている!第3回日本SF新人賞佳作入選作。
著者等紹介
坂本康宏[サカモトヤスヒロ]
1968年生まれ。90年、愛媛大学農学部卒業。同年、愛媛県庁に就職。公務員生活の傍ら小説執筆を続け、『マシンハンター』で第二回日本SF新人賞の最終候補作に選ばれる。そして翌2001年、本作『歩兵型戦闘車両ダブルオー』で、第三回日本SF新人賞の佳作に入選し、デビューに至る
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感想・レビュー
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海猫
49
話はゲッターロボっぽいが作品のトーンは初期ウルトラシリーズを思わせる。やたらと世知辛い設定に味のある文章がなんともいえないユーモアを醸しだしておりたいへん楽しい。描写されるダブルオーの外見や乗組員三人も決してカッコよくないのだが、盛り上げが上手く熱いドラマに突入してカッコよく思えてくる。負け犬たちの復活劇としてもロマンがあった。これはぜひ映像化してほしいですねえ。いまどきのCGではなく昔ながらのミニチュア特撮で。2013/11/18
すしな
40
012-23.著者の坂本さんは公務員との2足の草鞋をはくSF作家さんということで、SF部分よりむしろ公務員の悲哀の方が面白かったです。内容的には、人間の怨念が怪物化してそれを倒すロボットという構図ですが、今でこそ呪術廻戦やチェンソーマンのような作品が人気ですけど、作品発表当時の2002年には奇抜なアイディアではなったのではないでしょうか。若干、怪物側の掘り下げ方が雑だったり、世界が終わりそうな緊迫感が薄かったりもしますが、世界観の深さより、構想力を楽しむタイプの本かなと思いました。2023/01/23
キキハル
16
面白かった~!これぞ娯楽小説です。巨大戦闘ロボット・三体合体・名もなきヒーロー、とくればそれだけでもうワクワク。とても楽しく読みました。軽いけれど細かいところがやけに現実的なのも可笑しい。操縦者に選ばれたアメ・イモ・エビの三人は、各人の特技や能力を活かして敵のDDをやっつけるのです。たとえ給料は安くとも、実は地味に格好悪いフォルムのロボットでも。家族を街を国民を守るために立ち上がり、命を懸けて戦うのです。笑って共感してホロリと落涙もして。元気と勇気をもらったら、やっぱりこう叫ばなきゃ。行け!ダブルオー!!2013/12/08
ひさか
12
第3回日本SF新人賞に佳作入選したものを改題して加筆修正し、2002年6月刊行。「チェンジダブルオー」の掛け声高らかに3体合体する巨大ロボのSFギャグアニメ仕立のような物語。良く出来たお話で、夢中になってしまいました。2015/09/07
タケミチ
7
第三回日本SF新人賞の佳作を受賞したもの。合体ロボが現実に存在するつじつま合わせが面白い。著者のバックボーンが活かされている。巨大合体ロボもののアツさもちゃんとあり、良くできている。2021/01/02