内容説明
ママが死んでから、パパはいつも悲しそう。わたしだって、悲しい。でも、わたしには、ひみつの友だち、ナイナイがいる。ほかの人の目には見えないけれど、ナイナイはいつでもそばにいてくれる。むかし、ママがきれいなめずらしい花をそだてていた庭は、今ではあれはててしまった。でも、ナイナイは「種をまいたら」っていった。「なんにもないところからはじめて、どんなことでもできるんだよ」って…。そして、長い冬がすぎていき、春が来たときに…?じぶんにしか見えないふしぎな友だちとの友情をとおして、癒されていく女の子のすがたを、やさしく繊細にえがいた、心にひびく物語。小学校低・中学年から。
著者等紹介
クローザー,キティ[クローザー,キティ][Crowther,Kitty]
1970年、ベルギーのブリュッセル生まれ。父親はイギリス人、母親はスウェーデン人。1994年、『わたしの王国(仮題・未訳)』でデビュー以来、十作以上の作品を刊行している。現在はオランダのゼーランドに住み、二人の子どもを育てながら作品を作っている
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生まれ。早稲田大学文学部卒、中央大学大学院修了。現在は大学講師のかたわら、フランス文学の翻訳・紹介につとめる
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感想・レビュー
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サルビア
21
パパはママがなくなってからふさぎ込んで娘にも関心をしめさない。その娘はナイナイさんと話すことで寂しさを紛らわせているのでした。そのナイナイとは。2015/11/19
小夜風
21
【図書館】お話も題材も凄く素敵なんだけど、子どもが読んだ時に、伝わるかな?って思いました。何となくトトロを思い出しました。ママはもういないけど、たくさんたくさん素敵なものを残してくれたんだね。2014/12/25
遠い日
12
母を喪った娘リラ、妻を喪った悲しみが癒えないパパ。ふたりの悲しみは交錯することなく、孤独を抱えたまま時間が過ぎる。リラの秘密の友だちナイナイのことばに背中を押されたリラ。種が芽を出すように、自分の殻から少しずつ出て行くリラが健気だ。幸せは、自分の中にあるもの。幸せは、作りだすもの。家族の冬を抜け出した幸福感がしみじみと胸に広がる。2014/05/16
Cinejazz
9
〝ママが死んでから、パパはいつも悲しそう。私も、悲しくってたまらない。でも、私には、いつでも“ナイナイ”が傍にいてくれる。何もない、の“ナイナイ”が・・・むかし、ママが綺麗な珍しい花を育てていた庭は、今では荒れ果てている・・・ナイナイが「種をまいたら」って教えてくれた。 「何もないところから始めて、なんでもできるんだよ」って・・・〟淋しさの中から生まれた、空想の友だちナイナイとの語らいを通して、徐々に癒されていく少女の心の物語。🌳🌺🦚 2023/12/21
栗 餡子
9
母の喪失を自分なりに受け止め、父と共に新たに旅立つまでの物語。ラストが心に染みました。2015/02/01
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