内容説明
エイミイとキャプテンは同じ日に生まれたふたごです。といってもキャプテンは、お父さんが作ってくれた、船長のお人形でしたが。さて、エイミイが十歳の時、最初の「ふしぎ」がおこりました。お人形のキャプテンが本物の人間になったのです。そしてまもなく、ふたつめの「ふしぎ」がおこります。こんどはエイミイが、お人形になってしまったのです!人形になったエイミイをつれて、冒険に出たキャプテン。海賊カウルの宝を探して大海原を航海するふたりの行く手に待ち受ける運命は…?心から満足できるおもしろさをちりばめた、宝石箱のようなものがたり。小学校低・中学年~。
著者等紹介
ケネディ,リチャード[ケネディ,リチャード][Kennedy,Richard]
1932年、アメリカのミズーリ州生まれ。その後、オレゴン州ポートランドに移り今に至る。二十歳で物語を書き始め、十数の作品を発表。初の長編「ふしぎをのせたアリエル号」は、世界八カ国に翻訳され、受賞も含めて高い評価を得ている
中川千尋[ナカガワチヒロ]
1958年生まれ。創作絵本に「のはらひめ―おひめさま城のひみつ」「たこのななちゃん」「きょうりゅうのたまご」(徳間書店)、「ことりだいすき」(偕成社)など。埼玉県在住
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mntmt
18
あまりの分厚さにたじろいだけど、読んで良かった。不思議がいっぱい、夢もいっぱい、詰まっていました。この本の存在自体がファンタジーへの入り口。こんな気持ちになったのは、「はてしない物語」以来かも。2015/11/18
b☆h
8
小学生の時に誕生日にもらって初めて読んだ長編小説。ワクワクしたりハラハラしたり。。小説の楽しさを教えてくれた、今でも大切な本。
スイ
8
「このものがたりでも、もうじき、つみのないものが死ぬことになります。つみのないものも死ぬのです。」 最初に読んだのは小学校中学年だったと思う。 その時の衝撃は忘れられない。 傷つけられた、と思った。 こんな長い話を頑張って読んでこんなに悲しい思いをするなんて理不尽だ、と思った。 しかし、しばらくしてまた読みたくなり、それから何度も読んだ。 大人になり、もっともっと辛い話を現実で知ってしまった今、読み返してみると憤りの代わりに驚嘆の念を抱く。 物語の巧みさ! また、信仰が歪んでいく様などは、2017/02/22
はじめ
6
人形から人間になった船長(キャプテン)と、人間から人形になった少女の冒険物語。子供向けのファンタジーではあるけれど、船上の人間模様や伏線がしっかりしていてすごく楽しめる。疑い深いキャプテンとクラウド航海士の噛み合っているようで噛み合わない会話はコメディ映画のようでふふってなれるし、アリエル号の船員たちが本当に愛らしい。キャプテンの空回りやステテコの苦悩は痛々しいし、終盤すごく重たいけど。カエルがめっちゃいい、性癖2016/09/21
なめくじ太郎
6
小学生の頃に読んだ。理由は多分分厚いから。でも、ずっと心の中に印象が残っていた。大人になって、タイトルも忘れて、ただ、マザーグースと、船というキーワードだけで再び手にすることが出来た。今読むと、本当に感動した。読み終わった時の、喪失感が凄い。伏線もしっかりあるし、児童文学にとどまらない。子供の頃の思い出を読み終わって少し寂しい気持ちになる。小さな宝石箱のような物語。大好きです。2013/03/15