内容説明
その日、探偵ヴィッキーを訪ねてきた依頼人はふたり―ひとりは聖歌歌手の少年。そして、もうひとりは血の匂いをほのかに漂わせた謎の男。依頼は同じ、ある失踪した神父を捜しだすこと。調査をはじめた彼の目前で、事件は起きた。異形の猿人がおこなった狂気の犯行。頭部をねじ切られ、指を食いちぎられた無惨な死体。この街があるかぎり、わたしは不死であり、無敵であり、この街を呪い続けるだろう―“クトゥルフの呼び声”と名乗り、探偵の元に届けられた警告の手紙。それは、快楽の街に君臨する大いなる犯罪者パパ・フラノへの挑戦なのか?第2回日本SF新人賞受賞作「ペロー・ザ・キャット全仕事」と同様、近未来フランスを舞台としたネオ・エンタテインメント。
著者等紹介
吉川良太郎[ヨシカワリョウタロウ]
1976年6月17日、新潟県生まれ。2000年12月、第2回日本SF新人賞受賞。2001年5月、受賞作『ペロー・ザ・キャット全仕事』刊行、好評を博する。中央大学文学部フランス文学科博士前期課程在学中(2001年9月現在)
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感想・レビュー
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静間
2
SF×ハードボイルド×バイオレンス。「ペロー・ザ・キャット全仕事」の続編。終始、血の香りのする物語。主人公の探偵ヴィッキーは失踪した神父の捜索を聖歌歌手の少年と血の香りを漂わせた男性から受ける。/今回の敵(?)はキリスト狂信者だったので聖書の引用もあり、サロメやスタンダール等の引用もあり、若干の過装飾感があった。しかし、前作に引き続き、吉川さんが書く一人称は好きだな、と感じさせる文章。惜しむらくはペローの出番の少なさとヴィッキーの過去が語られない事。彼は過去を捨てたとうそぶくけど気になる。面白い本。2012/10/31
おふねやぎっちらこ
1
近未来ハードボイルド。日本のハードボイルドは,やっぱ原尞でしょう。2001/12/05
MKSzk
1
猫の身体にジャック・インしたペローが闇社会と抗うサイバーパンクの良作『ペロー・ザ・キャット全仕事』の続編である(続編があるの自体を知らなかったが)。今度は探偵が闇社会と抗ったり流されたりする……ところまでは良いが、サイバーパンク味が低いのが残念。2015/09/17
紺。。。
1
「ペロー・ザ・キャット全仕事」続編。前回はチョイ役だった探偵が、今回の主役。ハードボイルドな探偵がちょっと苦手なのであまり読み進まず…ちょっとずつ読んでたらわけ分からなくなりかけました。これはある程度一気に読んだ方が楽しめる本だったかな。シモーヌとペローの活躍が少なめなのもちょっと不満!2014/09/13
あg
0
推理モノかと思ったらSFアクションだった。前作(?)を読んでなくても楽しめたけど最後まで主人公がよく分からなかった2011/07/22