内容説明
高畑勲・宮崎駿と共に青春時代を過ごし、数々の傑作アニメーションを作ってきた職人的名アニメーターの貴重な証言と記録。
目次
1章 アニメーション新入生時代
2章 日本初のカラー長編動画
3章 東映長編を支えた仲間たち
4章 テレビアニメーション時代の幕開け
5章 『太陽の王子ホルスの大冒険』
6章 『ルパン三世』
7章 『未来少年コナン』
8章 長編アニメーション再燃
9章 『リトル・ニモ』顛末記
10章 日本人を描くアニメーション
著者等紹介
大塚康生[オオツカヤスオ]
1931年、島根県生まれ。1957年、東映動画に入社し日本初の本格カラー長編アニメーション「白蛇伝」(’58)、「わんぱく王子の大蛇退治」(’63)などに動画として参加、「大陽の王子ホルスの大冒険」(’68)で初めて作画監督を担当する。その後、東京ムービーを拠点に日本アニメーションなどでもアニメーターとして仕事をする
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テキィ
13
大塚さんの講演をCEDECでお聞きし、数年ぶりに再読。味わいが思ったより異なり、また深かった。1つの道を歩き続けた職業人の言葉は軽妙だが浸透力があります。痛烈な手塚批判も、知的かつソフトな表現に、とても爽やかに聞こえる不思議。ホルスや旧ルパンがまた観たくなりました。2010/09/17
富士さん
4
アニメ史を語るなら必ず読むべき必読文献。今回メモを取りながら読み直してみると、知りたいと思っていた貴重な情報がすでにここに書かれていたことがあって愕然。何の予備知識がなくても楽しめるアニメーター半生記ですが、アニメ史の概要を知ってから読むとなお楽しめる古典と呼べるような名著です。読ませる文であり同時に知らせる文を書ける人はそういないでしょう。これは著者の才能なのだと思います。文は人なりとは言いますが、森康二さんにしろ、宮崎駿さんにしろ、そして手塚治虫さんにしろ、この時代のアニメ関係者の個性には脱帽です。2014/08/25
kemonoda
4
伝説の名アニメーター大塚康夫さんの自伝的著作。語り口がとても素敵なよい本です。大塚さんの半生はそのまま日本のアニメ史と重なるので、とても貴重な史料的価値もある名著です。初版は1982年と古いんですが、つい先日文春ジブリ文庫からも最新改訂版が出ました。度々復活するというのはやっぱり贔屓目でなくてよい本なんですよね。僕が今持っているのは2001年の徳間版。僕は大塚さんの絵と人柄にとてもあこがれるところがあって、繰り返し繰り返しこの本は読みますね。2013/06/16
とんび
4
アニメージュに載っていた頃は、技法とかに興味があって、斜め読みしていたんですが、改めて読むとこれはもう日本アニメーションのバイブルと言っていい内容と言えるんではないでしょうか。ふつふつと熱い魂を感じます。2011/05/24
アストリアス
4
アニメ産業の黎明期を経て産業として確立されるまで活躍したアニメーターの貴重な記録だと思います。