内容説明
輝かしい栄光の裏にうずまく陰謀。運命に翻弄されるビサンチン帝国皇女。その半生を臨場感あふれる筆致で描く歴史ドラマ。
著者等紹介
バレット,トレーシー[Barrett,Tracy]
ノンフィクション作家として数々の作品を手がける。アメリカのバンダービルト大学で教鞭を執りながら中世の女流作家の研究を進める。『緋色の皇女アンナ』は、国からの助成金を得て行った皇女アンナ・コムネナのリサーチをもとに書かれた、作者初の長編小説。現在夫と二人の子どもとともに、アメリカのテネシー州ナッシュビルに住んでいる
山内智恵子[ヤマノウチチエコ]
1957年生まれ。国際基督教大学大学院修士課程修了。約10年間コンピュータによる自動翻訳の研究に従事した後、子育てをしながら、津田塾大学大学院博士課程にて学ぶ。現在は大学で非常勤講師をしながら、翻訳に意欲をもやしている。絵本の翻訳に『くまとハンフリー』『ふしぎなトイレくん』『やさいばたけのひみつ』(徳間書店)がある
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
28
ビザンチン帝国の首都コンスタンティノープルの宮殿で世継ぎの皇女として生を受けたアンナ。麗しい婚約者と共に玉座につく日を心待ちにし次代の皇帝となるべく祖母から帝王教育を受ける日々だった。ところが弟ヨハネスが生まれてからというものアンナの運命の歯車が狂い始めた。遠征で不在がちの父のかわりに帝国の陰の支配者となっていた祖母は勝ち気で才気あふれるアンナの存在を脅威に思い疎み始める。そしてついにアンナは馬鹿を装う弟の罠にはまってしまう。運命に翻弄されるアンナの半生を臨場感あふれる筆致で描いた歴史ドラマ。2001/07/17
むさみか
6
漫画のほうが 史実に近いようで マンガの中では 最愛の夫 歴史家ニケフォロス・ブリュエンンニオスとは ほとんど接点がないまま 父皇帝の伝記を書くまでの半生 皇太后のラスボス感 ハプスブルク家のゾフィー皇太后さながら 権力を手にした女は 怖いぞぉ2023/03/02
Mana
6
「歴史学の慰め」「アレクシアス」の刊行をきっかけに読み返してみた。ビザンツ帝国アレクシオス1世の娘アンナ。父帝の後継者になるはずが弟が生まれたためその地位を失い、弟を暗殺しようとして最後は修道院に閉じ込められる。昔中学生の頃に読んだから内容が物足りなくなってたらどうしようかと心配だったけど杞憂だった。アンナはエゴ丸出しでわがままなのに魅力的。奴隷は好きに扱っていいと思ってたり、現在の価値観で良い子じゃないのが逆にいい。最後矜持を見せつけるところや、奴隷のソフィアとの友情が心を打つ。2020/08/04
absinthe@読み聞かせメーター
5
小5の娘。ひとりよみ。2021/08/08
さといも
3
皇女アンナが修道院にいるシーンからスタートするので、結末がわかってしまい(史実だからそうでなくても分かる事なのだけど)読むのがつらかった。もちろんそこに至るまでにアンナの成長が描かれているのだけど、のちに皇帝となる弟やアンナを失脚させた祖母、そして祖母と対立しながらアンナを守った母の思いが重くのしかかってくるように感じてしまった。 でも読んで後悔はありません。2020/12/07
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