内容説明
人生ってちょっぴりおかしく、そして哀しい。いろんな人生をひょいと切り取った、9つの断面。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
29
★★★☆☆ パスティーシュの名手として知られる清水さんだが、本作は一般的な庶民の極々普通の日常を切り取って描いた短編集。これといってオチもないし、本当にフツーのストーリーなのだが、そこに日常であるからこその悲哀・ユーモアが描き出されていて面白い。必ずしもハッピーエンドで終わらない、というかむしろバッドエンドともハッピーエンドともいえないモヤッとした終わり方である辺りが人生というものなのだろうか。表題作に至っては何ともいたたまれない。家族を支えていたのが絆でも愛でも信頼でもなく結局――という皮肉な結末。2016/06/25