内容説明
セリーヌは十六歳の高校生。絵描きを目指して修行中。パパが講演旅行に行ったきりずっと帰ってこないので、パパが結婚した相手の二十二歳のキャサリンと、二人きりで暮らしている。パパは出かける前に、「大人だってところを見せてほしい」と言っていた。でもそれがなかなか難しい。アメリカ文学のレポート(大きらいな「ライ麦畑でつかまえて」について)と、体育の単位(ずっとさぼりっぱなしの水泳)を落っことしそうだし、恋人気取りのいやなやつダーモットにはつきまとわれるし。絵描きとして成功している隣家のバーカー氏にちょっと憧れたのもつかのま、セリーヌは離婚しかかっているバーカー夫妻のもめごとに巻き込まれてしまう。おまけにバーカー家の息子の七歳のジェイクにすっかりなつかれて、セリーヌとジェイクは、いつも一緒の二人組になってしまい…?元気がいいけど繊細で、悩み多きアメリカの十六歳の女の子の日々を、ユーモアたっぷりに描き出し、アメリカ図書館協議会の最優良図書(ヤングアダルト部門)、「ブックリスト」誌が選ぶ八十年代の最優良図書、「パブリッシャーズ・ウィークリー」「スクール・ライブラリー・ジャーナル」両誌の年間最優秀図書、ドイツ児童図書賞の最終候補等に選ばれた、話題の青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
31
セリーヌは画家を目指して修行中の16才の高校生。だが「もう大人だってことを見せて欲しい」と言ったきりパパが家を留守にしてしまう。パパの再婚相手の女性、22才のキャサリンとの同居問題や隣家の離婚騒動に巻き込まれ、7才の少年ジェイクを預かるはめになったり、おまけに恋人気取りの男につきまとわれたりと、毎日が大変な事の連続。元気がいいけど繊細で、悩み多き現代の女の子の心情をいきいきと描く瑞々しい青春小説。1998/05/07
びーとぅん
8
『ライ麦畑で捕まえて』が大嫌いな女の子の話、ということで学校の先生に借りた本。ヤング・アダルトなんだけど、かなり主人公やその周囲の家庭環境が複雑で、それでもそこまで物語自体は深刻な感じじゃなく、思わず笑ってしまう場面もちょくちょくありました。すごくバランスの良い小説だと思います。今はもう絶版になってるようですが、中学生くらいの頃に読むとすごく共感できるんじゃないかなと感じます。80年代のシカゴが舞台ということで時代背景もいろいろあると思いますが、それを感じさせない明るさと切なさが入り混じっていました。2015/01/21
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