内容説明
弟のルークの病気はもう治らないと聞かされたコリン。オーストラリアのシドニーの大病院でも治せないなら、世界一の名医に頼むしかない。でも、世界一の名医を知っているのは…そうだ!?弟の入院中、ひとり、イギリスの親戚の家にあずけられることになったコリンは、弟を助けてもらおうと、バッキンガム宮殿に住むイギリスの女王様に手紙を書く。だがたまたま、ケガをして恋人のお見舞いに行けなくなってしまったテッドに協力しているうちに、コリンは弟ルークにとってなにが一番大切なのかに気づき…。不治の病というテーマを、ユーモアあふれる文章で描き出した、心を打つ作品。小学校中・高学年から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
58
太陽ギラギラの、オーストラリアのクリスマス。世の中の不公平に憤るコリンは、頭の中で手紙を書いていた。「はいけい 女王様、弟ばかりが欲しい物を貰うのをやめさせる方法を教えてください…。」ご馳走をお腹いっぱいに詰め込んで、素敵なプレゼントで元気に遊んでいたルークが突然倒れた!食べ過ぎかと思ったら、とても重い病気なんだって。コリンは、ありったけの知恵と行動力で、弟の命を救う為に頑張ります。女王様なら、世界一のお医者様を派遣してくれるよね。でも、コリンは気付きます。ルークにとって、一番大切な事は…。後半は涙、涙。2021/09/01
海老エミ
9
泣けた。オーストラリアの少年。弟のプレゼント、弟の病気。嫉妬や愛。1997年のゲイを取り巻く環境は今とは違うよね。少年少女時代からこういう本に出会えると自然に受け入れられるね。子供らしいとか子供だがらこそとかなかなかの行動とか、弟想いのお兄ちゃんがいい。2020/01/13
timeturner
6
難病物かあ、どうせ最後は涙と感動でしょ、なーんて冷めた目をして読み始めたら……いやあとんでもなくいい話だった。難しいテーマを二つも投入してるのに大成功している。2016/04/19
みー
4
上手いと思った。主人公の少年の描き方が。弟へのやっかみ・ひがみ・寂しさ・悲しさ・愛。人間として当たり前の感情の起伏や、変化の持って行き方がこの少年の年相応なのだ。当初は弟ばかり注がれる両親の関心と愛を自分に向けたい独り占めしたいが為の、荒唐無稽な言動に読み手はイライラを募らせる。しかし半分を過ぎた所で、本当に向き合わなければならない事柄に、徐々に気づいていく様が、切なく痛い。その対比が、とてもいいバランスで書かれており、ただのお涙頂戴ものになっていない。家族はいかなる時も一緒に居るべきなのだと強く感じた。2014/11/02
shiori
3
すごく好きです。異質なものを受け入れる寛容さと、優しくはない現実。でもあたたかい気持ちになる本です。
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