内容説明
「天孫降臨」は滅亡を逃れた呉軍の渡来だった―『三国志』(呉書)の一行の記録から、空白の三―四世紀を鮮やかに再現した迫真の日本建国史。
目次
序章 呉の大軍団が「天孫降臨」した!
第1章 三世紀の東アジア軍事情勢と海上の道
第2章 刀と鏡が解いた「降臨」ルート
第3章 女王ヒミコが眠る墓
第4章 「神武」の虚像と実像
第5章 空白の四世紀が見えてきた
終章 1600年の歴史国家としての日本
感想・レビュー
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hyena_no_papa
2
「あとがき」にかえてに書くように、本書は「専門の歴史学ではなく...日本の古代史像である」として読むべきか。三国呉の滅亡に際して二万の兵を乗せて忽然と消えた大船団が日本へ来たのが天孫降臨だという。カムヤマトイワレヒコを4世紀の人とするなど唖然。津田史観を批判するも何人かの天皇は架空とする。ヒミコ=天照大神とする想定は安本説だが、安本書は引きながらこの点には言及しない。神武という漢風諡号は『呉志』所引「江表伝」中の孫権=神武から採るとするが、『魏志』張遼伝にも太祖曹操を神武と記している。批判するのは野暮か?2025/06/05