内容説明
ジュリーはエスキモーの少女。父さん母さんが生きていたころはよかったが、十三のときに親が決めた許嫁と結婚させられてしまった。新しい暮らしにどうしてもなじめないジュリーは、ひとりツンドラを横切って港町まで歩こうと決心し、嫁いだ家を逃げ出した。だが、ジュリーは広大なツンドラのまん中で道に迷ってしまう。持ってきた食料は底をつき、自分の力では満足に食べものもとれない。あたりにいるのは、狼だけ…。ジュリーは、勇敢なエスキモーだった、死んだ父さんが言っていたことばを思い出した。「狼は仲間を大切にする動物だ。もし、仲間に認められたら、食べ物をわけてもらえる」ジュリーは懸命に狼のしぐさを学んで仲間にいれてもらおうとするのだった…。極北のツンドラにありながら、智恵と勇気で生きのびる、少女の姿を感動的に描いた、一九七三年アメリカニューベリー賞受賞のロングセラー作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
4
自分用覚書 『ぼくたち負け組クラブ』 https://bookmeter.com/books/12341966 巻末リスト39/43 2020/11/07
菜住稲子
1
小学生で読んで泣いた。 狼がとても好きで、ますます好きになって、人間の身勝手さと優しさと種族を越えた絆全てを思ってただ泣いた。2007/03/21
さきたまおおはし
0
エスキモーの暮らしが興味深い。エスキモーの文化の素晴らしさを感じることができる。しかし悲しい。文化を奪われ、民族が誇りを失うことがどういうことかも描かれているからだ。お金をルールにしたことは罪深い。2012/04/15
tekka
0
「そうやってだんだん野生の生き物がいなくなりつづければ、ついには人間が食べるものもなくなるんだ。人間がひもじい思いをしていなくなれば、世界の北の果ては、恐ろしいほど静かになるだろう。」2020/06/04