内容説明
1988年、フロリダ州のアルトゥーラスという町に大事件が起きた。ある一家が毒物を混入されたコーラを飲み、母親は死亡、子供たちも重体に陥ったのだ。隣に住むジョージ・トリーパルが疑われたが、逮捕につながる証拠は何もなかった。FBI行動科学班は毒物を用いたその手口から、犯人の性格・心理を分析し、ジョージに狙いをしぼる。かくして地元の秘密捜査官スーザン・ゴーレックによるおとり捜査が開始されたが、ジョージは知能指数が高く、冷酷な男だった。彼に近づき、罠を仕掛けていくスーザン。それは一歩誤れば、自らも毒殺されかねない危険な賭だった―。
目次
第1部 奇妙な隣人(殺人者の生まれた夜;不可解な症状;タリウムの恐るべき毒性 ほか)
第2部 殺人のすじがき(メンサ殺人ウィークエンド;ヴードゥー教とミステリー中毒の妻;永遠の思春期にいる男 ほか)
第3部 毒された心(秘密の部屋にあった拷問台;裁かれる知能犯;服従と虐待の夫婦関係 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
熊猫
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http://booklog.jp/edit/1/419860570X2013/01/12
朔夜
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再読2008/12/19
平田凡斎
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滅茶苦茶面白かったです。FBIとタイトルについてはいますが、メインは狡猾なる殺人者ジョージ・トリーパルと執念深き囮捜査官スーザン・ゴーレック女史の延々と続く心理戦。スーザン氏は捜査のために作り出した人格「シェリー」を通じて証拠を引き出そうとするのですが、そこは狡猾なるジョージ、一見親しく振舞いながら決して決定的な証拠を見せません。2年に及ぶ捜査の中でスーザン氏が「シェリー」やジョージに飲み込まれまいとする超人的な努力には息が詰まります。もちろんスーザン氏を支えるFBIや地元の捜査官たちの活躍も見どころです2019/05/07