出版社内容情報
動乱の戦国時代末期、韓の国の公子だった韓非が説いた「人を支配する術」。その非情なまでに透徹した臣下統一の論理は秦の始皇帝を感激させ、やがて天下統一をもたらす思想基盤となり、法家思想の精髄ともなる。
内容説明
冷徹なる人間支配の論理。卓越した人間観察と「法術」理論を核に展開される、激烈な政治的論策。その冷徹、非情な論理は秦の始皇帝を感嘆させ、乱世統一の思想的基盤として不滅の光芒を放つ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BMI-22
1
●君主と臣下の関係は取り引き。親子関係ではない。●昔と今では世の中が違うのだから、対処の仕方を変えねばならない。昔の寛大な政治をこの乱世に当てはめるのか?●相容れないふたつの事柄を同時に行うことはではない。敵を斬った者に賞を与えながら、同時に慈悲の行為をたっとぶこと。●富国強兵は外交によってはもたらされない。内政の強化:明確な法、確実に賞罰、豊かな経済、人民に死力を尽くして国を守らせる。●節操ある人物を養わないならば、国は滅びる。昔は仁義、今は法。2017/08/26
骨ゆん
1
愚王でも仕組み(法)さえしっかりしていれば国は安泰だと説いた韓非子だが、統治能力(術)も必要だとわかる。実質的に彼の信者であった始皇帝が死ぬとすぐさま乱世に戻ってしまったのは、後継者が術を蔑ろにしたからかもしれない。権限委譲の範囲、公平透明な報酬・罰則制度、信用する・騙されない技術、多角的視点、自立心などが豊富な例の紹介で学べます。ただし、最後の2章は短文で説明もなく、何が言いたいかわからない場合もあった。2016/11/24
ノメ
1
韓非子の思想が、なぜビジネス社会でもてはやされるのが理解できる。人の性分は昔も今も変わらないのか・・・2015/11/10
冀望
1
何度読んでもこの二柄の考え方には心服させられる。2009/10/06
コラッジョ
0
韓非子は逸話も豊富だし、最も解りやすい東洋思想家である。 人間の性は悪であると断定し、それを抑え込む為に法律で規制する。 それが韓非子の考えである。 と書くと冷血非道な人間だったかのように思えるが、どもりであったり、色々な微笑ましい逸話の数々を見ると、韓非子本人の性格は決して悪くなかったのではないかと思う。2016/05/12