内容説明
ある春の夕方、ヨーロッパ1の錬金術師が修道院を訪れて、みなしごの少年に秘密の使いをたのんだ。3つの箱をアドリア海へ運んでほしい、だが、決して中身を見ようとしてはならぬ、と…。馬車で出発したマティアス少年は、やがて自分が、大きな策謀と罠の中におちこんでしまったことを知る。だがひたすら海へ海へと進むうちに、マティアスに訪れた不思議な運命は…。スペインを代表する作家が15世紀末のクロアチアを舞台に描く、波乱万丈、不思議な冒険小説。10代~。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
oldman獺祭魚翁
43
図書館 ある書評を読んで借りてみました。15世紀末、領主の依頼で怪しげな荷物を内陸の修道院から海まで運ぶ使命を託された見習い修道士マティウスの冒険を描いた児童書ですが、正直登場人物の誰も彼もが、裏に何か隠しているようで、読んでいるこちらも疑心暗鬼になってしまいます。冒険小説のスタイルで始まった物語は、途中からファンタジー的様相を見せてきますが、最終的には現実的な姿で終わります。 児童文学としては、ちょっと人が亡くなり過ぎの感じが拭えませんが、これもお国柄(スペイン)なのでしょうか?2021/01/10
k sato
4
修道院に身を寄せている孤児の少年が箱に隠された秘密を解き明かしていく冒険ファンタジー。箱の中には、錬金術で作られた金と秘薬が隠されていた。2022/08/09
lovemys
4
唐突に物語が始まり、ムムム?!と思ったけど、魅力的な物語に惹き込まれていきました~。でも、登場人物も多く、意外とあっさりとした描写なので、特に感情移入できる人物もいなく、読むのにすごく時間がかかってしまった…。非常にドラマチックに描かれている割には、結局大したこともなく終わってしまったように思いましたが(笑)異文化を感じる物語としては、とても面白かったように感じます。もう少し人物像を深く掘り下げると、色々と共感できて物語に集中できたのかもしれないと思いました。2016/07/13
Mipo
3
最近、某テレビ番組で「錬金術」という言葉には「金」が入っているため、鉛を金に変える実利の話と勘違いされやすいが、実は人間の神秘の力といった“哲学”の色が濃いという話をしていた。そのせいかこの物語がスッと心にはいってきた。今回もときめいたけど、10代の頃に読んだらとんでもなくはまったと思う。秘薬が海に光り輝くシーンが印象的だった。それに主人公マティアスが湖である体験をする場面が神秘的ですてきだった。こんなふうにガラリと世界が変わるような体験は10代のどこかでだれもが味わうのだと思う。2025/03/18
HISA
2
☆☆遠い昔、錬金術をめぐるこんなドラマが実際にあってもおかしくないくらい、人々を魅了するものだったのだろうと思った。スペインの児童書はあまり読んだことなかったかも。サクッと読めました。2023/09/18
-
- 電子書籍
- ボスが誰かのものになる〈【スピンオフ】…
-
- 和書
- あかちゃんのカラダ図鑑