内容説明
大の仲よしの女の子レベッカが死んで、ユストはひとりぼっちになった。悲しみのあまり悪態をついたユストは、とつぜんふしぎな世界に入りこんでしまった。ユストはそこで、死んだはずのレベッカに出会い、レベッカに導かれてさまざまな世界をめぐることになる。氷の世界、熱い火の世界、霧の中の世界…。そしてひとつの世界を経るごとにレベッカは年をとり、大人の女性に、老婆にと変わっていく。やがて霧が晴れ、ユストの見たものは…。静かに心にしみこんでくる、詩的な雰囲気をたたえた物語。小学校中・高学年向き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
57
ユストは、ひとりぼっちだ。「がらんどう」につきまとわれて、生きていることに我慢ができなくなってしまった。あの子がいなくなってしまったから。暗闇でも、二人でいれば怖くなかった。いつまでも一緒にいられると思っていた。レベッカのバカ、お前のせいだ…!大好きな友達を突然喪った少年の魂の彷徨。宇宙と、時間の流れの中で、とても小さいけれど、かけがえのない命の意味を見出し、現実と向き合ってゆく姿が、詩的な文章で綴られる。装幀・装画共に大変に美しく、作品世界をよく表現している。2021/11/12
星落秋風五丈原
19
デンマークを代表する児童文学作家。人間社会を皮肉ったアニメ化された「鳥たちの戦争」は日本でも公開済み。大の仲よしの女の子レベッカが死んで、ユストはひとりぼっちになった。悲しみのあまり悪態をついたユストは、とつぜんふしぎな世界に入りこんでしまった。ユストはそこで、死んだはずのレベッカに出会い、レベッカに導かれてさまざまな世界をめぐることになる。氷の世界、熱い火の世界、霧の中の世界…。そしてひとつの世界を経るごとにレベッカは年をとり、大人の女性に、老婆にと変わっていく。やがて霧が晴れ、ユストの見たものは…。2002/12/11
リュー
1
「生きていること」を思い出させ、実感させてくれるのは、それを失った愛しい死者。2019/03/01