内容説明
十四歳のタイラーは孤独だった。父親は自分の仕事以外に興味がない完璧主義者で、タイラーの夢を理解しようともしない。その上母親はアルコール依存症だし、大好きな優しい兄までも同性愛者だったことが発覚し家をでてしまう。心の通い合わない家族の中でタイラーはひとり、野鳥の写真を撮ることにますますのめりこんでいく。だが、恵まれない環境にありながら夢を着実に追っている少女ミッツィに出会ったことから、タイラーは変わっていくのだった。思春期の少年の揺れ動く心理とその成長を生き生きと感動的に描いた小説。10代から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sasa✾
1
★★★★ 友達もおらず、バラバラな家族の中で孤独を募らせる14歳のタイラーの心を癒してくれるのは野生動物だけ。だけど、そんな彼の孤独で不安定な精神が愛を知ることで、少しずつ現実に向き合う強さを持ち始める。青春の悩みを軽やかに描く作品は多いけれど、この本は児童書にもかかわらず暗く、軽快さとは程遠い。その分、大人でも十分に楽しめる作品だと思います。2012/11/29
ちいちゃん
0
思春期の少年の本
ねがい
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同性愛者の兄、アルコール依存の母、真面目で「見て」くれない父、友だちもいない孤独な14歳のタイラーの、微妙な変化を見事に描いています。読んでいる間、何度も「クレージー・バニラ」と声に出したのに、それが何のことなのか、全然ピンと来てなくて、出てきて「ああ!」と感動。すごく良い名前です。★★★★★2008/11/18




