内容説明
「あるげつようびのあさ、おうさまと、じょおうさまと、おうじさまが、ぼくをたずねてきた。でもぼくはるすだった…」小さな男の子の語り口でお話がはじまると、トランプの札からぬけ出てきたような、ユーモラスな王さまや女王さまや王子さま、それにおつきの人たちの行列が、ページからページへと楽しくねりあるきます。ニューヨークに住む男の子の、毎日のできごとと、子どもが心の底に抱く望みや、子どもの空想の世界とをみごとにえがいた、あざやかな、忘れがたい絵本です。5さい~。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
105
ユリ・シュルヴィッツ強化週間。ニューヨークのSOHOに住む男の子の家に、ある月曜日の朝、王様と女王様と王子様が訪ねて来た。ところが、男の子は留守で会えない。火曜日、今度は王様と女王様と王子様と騎士が男の子を訪ねてくるが、やっぱり留守。その後、水曜、木曜、金曜、土曜と、だんだんお供の家来が増えてくるのだが、毎回男の子は留守で会えない。SOHOの下町の風景に不釣り合いな彼らの訪問の目的は何か。そして、日曜日、男の子は家にいた。そして、王子様たちの訪問の目的とオチが判明。「おとうさんのちず」的な想像の翼のお話。2016/03/21
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
103
小さな男の子の語りで進む平和で不思議な1週間のお話。フランスの古い民話がもとになっているらしい。ある月曜日の朝、男の子の部屋を着飾った王族が訪れる。でも、男の子は不在だった……。何が起きるわけでもないのに、大げさな珍道中がおかしい。谷川俊太郎さんが訳と解説を手がけている。谷川さんにも縁深いニューヨーク・ソーホーが舞台とのこと。1994年5月初版。2016/03/26
greenish 🌿
58
【児童書・絵本で寄付しましょう♪】【Casa BRUTUS 読み継ぐべき絵本の名作100】№044 『よあけ』『あめのひ』の著者ユリ・シュルヴィッツ作/谷川俊太郎訳の絵本 ---《Rain 物語は雨から》ある雨の月曜の朝、トランプから抜け出てきたような王様と女王様と王子様が僕に会いに来たけれど、僕は留守だった。火曜の朝も王様と女王様と・・・。僕の退屈凌ぎの空想の世界だけれど、読んでるこちらも僕の気持ちをあれこれと想像してしまう。何度も繰り返される谷川さんらしいテンポのよい訳も心地いい一冊です。2014/06/21
らぱん
53
憂鬱になる月曜日の朝の雨、ソーホーのアパートメントの6階に住む少年は部屋から外の雨を眺める。暗めの画面に突如として現れる場違いにカラフルな王様御一行。王様たちは少年を訪ねて来たのだが行き違う。火曜日、水曜日…と毎日御一行はやってくるが行き違い続けて、なかなか会えない。少年の心象と御一行の祝祭感の対比が見事で、御一行は最初から画面をはみ出しているのだが、日を重ねるごとに一人ずつお供の数は増え、どんどんアップになって画面から溢れる。反復しながらも変化していく構成が内容を盛り上げクライマックスに突入する。↓2019/11/12
AKIKO-WILL
41
谷川俊太郎さんが訳していたので手に取りました。NYのアパートに僕を訪ねに来るトランプの札から出てきたようなカラフルなおうさま、おうじょさま、おうじさま一家!げつようびのあさに来たけど僕は留守で。毎日やってくるたびに連れてくる人が増えて!楽しい絵本でした。2016/03/12