内容説明
今より少しだけ未来の202X年。小学生の間では、ウェラブルコンピューター“電脳メガネ”が大流行していた。この“メガネ”をかけると、必殺技を手に入れたり、電脳ペットを飼ったり、子どもたちだけのとびきり刺激的な秘密の遊びをすることができるのだ。ただし、“メガネ”を楽しめる時間には限りがあって…。“メガネ”の有効期限を迎えてしまったイサコは絶望し、自ら“あっちの世界”へと飛びこんでしまう。ヤサコは、“あっちの世界”への入り口を探して大黒市に来る以前に住んでいた西陽海へと向かった。デンスケに隠された暗号の謎、「ミチコさん」の正体、7年前の事故の真相…“メガネ”にまつわる秘密がつぎつぎと明かされる中、大黒市では古い電脳空間の一斉フォーマットがはじまった!ヤサコは、イサコを救うことができるのか―。
著者等紹介
宮村優子[ミヤムラユウコ]
東京都生まれ。脚本家
磯光雄[イソミツオ]
愛知県生まれ。アニメーター。劇場作品『おもひでぽろぽろ』などを経、『エヴァンゲリオン』では原画のみならず設定や脚本を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねここ
25
2人の少女の物語、ここに完結。電脳の世界、電脳ペット、触れないしにおいを嗅ぐこともできないけれど『無いもの』ではない。電脳メガネを通してみえる世界は、思い出は、冒険は、紛れもない本物。みえない自分の気持ちだって本物だ。その気持ちが痛む方向に真実はある。 電脳メガネという設定も良かったし、アニメを元にした小説だが良かった。子どもにしかみえない電脳の世界。子どもだけの秘密の冒険、まさに青春だった。メガネの期限がすぐそこに迫る主人公達は着実に大人に近付いていく様子は読み応えがあった。子ども達が下した決断は。2015/02/04
kasai
5
これは大人になるための物語ではなかった。これは、全力で子どもを生きる物語だった。全力で子どもを生きた子たち、全力で子どもを生きられなかった子たち。その対比が残酷なほどに眩しい。素晴らしい物語でした。完結おめでとうございます。2010/12/22
もっち
4
壮大な遠まわり、完結――というか、時間切れ、って感じかも 多くの謎が明らかになり、子どもたちはメガネの先へ歩き出した、とりあえず納得のいく結末ではあるけれど…マリリンマリーンの正体?にいろいろ持って行かれた気がしなくもない タラちゃんとの再会場面は見たかったなあ あとは学級新聞を待ちます2010/11/22
hoguru
3
息子11歳1人読み2022/02/03
黒羽
3
電脳コイル読了。何故6年ほど経った今読もうと思ったのか自分でも不思議でしたが、最後まで読む事ができて良かったです。子供と大人の中間ぐらいの歳になりましたが読み終わった後清々しさと共に淋しさも感じました。アニメの方は殆ど覚えていないので、時間があれば見直したいです。これはリアルとかけ離れた冒険の話ではありません。ヤサコ達の子供の頃の日常の物語です。欲を言えば、皆のその後が知りたいですね…京子のメガネ生活、中学生になったみんな、猫目やオバちゃん素敵なお話でした。ありがとう!マリリンマリーン!!2016/05/26