内容説明
阿波徳島の森厳の森を進む二つの影、獣道をゆく舞と北麿の姿だった。二人は、与えられた怨霊封殺の任をすませた帰り道だった。二週間前、二人は大頭屋敷に呼び出されたが、大頭が大広間に現れなかった。自ら動いてどこかに向かったという。大頭が自ら動くのは、何か重大な出来事がある場合に限られる。一体、どんな異変が起こったのか!そういう事態にもかかわらず、大日女は通常の任務を言い渡した。阿波の北、猪鼻峠の椎名村に向かった二人。陰陽師・安倍晴明の末裔である北麿が怨霊の放つ独特の霊気を全く感じられないという!一体、何が起こっているのか。