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内容説明
世界の真ん中にあるという1本の大きな木の根本に住んでいる少女シシは、ある日、空を舞う金色の鳥をみかけます。その鳥が「全てを知るという伝説の鳥」だと信じたシシは、金色の鳥をさがしに、その大きな木に登ることを決意するのです。1匹のカエルを相棒に木に登り始めたシシは、苔の番人スプルや、やはり鳥をさがし求めて木に登る少年サマに出会います。そして、ついに姿を現わした、金色の鳥…。宮崎駿作品の主要スタッフのひとりとして活躍する著者の初めての描き下ろし絵本。透明感あふれる絵と独特の文体でつづった、自然と少女の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
185
世界の真ん中にある大きな木。その麓には長い年月をかけて幾重にも覆う苔を伝い満たされた小さな泉。澄み渡る美しさから物語は始まる。秋が深まるのに暖かな日。ここの植生は初めてのものばかり。花畑には数多の音がする。大きな鳥は何処へ行くのだろう。襲わないで。人間が目指す先にあるものは、腐敗しかないのだろうか。自然は奇跡と言っていいほどのバランスで保たれている。たった一つの小さな欠片でも失ってしまうと、いずれ崩れ去る運命なのだろうか。そんな私たちの星に芽生えた希望とは。スタジオジブリで活躍された二木真希子さんの作品。2023/06/26
あっか
32
先日発売された上橋菜穂子さんのエッセイ(物語と歩いてきた道)を読んでから、どうしても読みたくなった本。ジブリをずっと支えてきた伝説的アニメーターによる、壮大な世界観の絵本?です。発売は1989年なのでラピュタ辺りだと思うのですが、ナウシカ、トトロ、ラピュタ、もののけ姫…と、宮崎駿さんが描くジブリアニメの息吹を感じさせてくれました。生き物だけでなく、木や緑までもが生き生きしています。隠れた名作だと思いました。2017/12/23
ぼりちゃん(旧 aiaimo`olelo)
20
毎週金曜のジブリ特集に母子ではまっていました。ジブリの影響もあるのでしょう、息子は植物や虫に顔を近づけてじっと眺めることが増えました。秘められた命や精霊的なものへの感受性が高まってきているのを感じます。 その流れで、ジブリメインスタッフであった二木真希子さんの絵本を久しぶりに読む。圧倒的な植物の描写力。手をのばせば触れそうな触覚的な画。そして、大人になるにつれどこかに置いてきてしまったアニミズムのかけらを久しぶりに手にしました。息子と同じ目線に立ち、物言わぬ生命たちと対峙させてくれた絵本。2020/08/29
うめ
17
大きな木と美しい鳥。破滅と再生。知恵を持つ鳥は、ただ生きているだけで木や他の動植物を殺してしまう鳥は、果たして何の比喩なのか。お互いがお互いを思い遣った先に道が出来、楽園へと戻る事が出来る。緑を、水を、美しいと思える感性を持つ人には、たまらないお話。2016/03/20
ツキノ
10
(E-160)二木さんといえば、上橋菜穂子さんの守り人シリーズの挿絵の人としての活動しか知らず、ジブリのアニメーターとは知らなかった。この本はオリジナル作品、アニメージュ文庫として小さな本にまとまっているのはもったいないくらい。大型絵本として見てみたいなぁ。原画から新装復刊できないものか…?2018/04/02
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