内容説明
真髪の死によって、白鬼たちが老中・田沼意次が開国の準備のために招聘した船大工と判明したが、彼らは江戸残留組と遠州相良での造船組とに分かれ、対立を深める。一方、江戸の隼人のもとに、黒子の頭領・梟帥から女鳥と鷹白の2人の戦士が送り込まれた。隼人は田沼暗殺計画を練り、位内周助と角助の協力を求める。そして田沼襲撃が敢行された…。大河伝奇スペクタクル第2弾。
感想・レビュー
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TheWho
11
白石大河SF伝奇シリーズの第2巻目。前巻で、田沼意知に招聘されたオランダ人船大工の白鬼と、それを阻む黒子との戦いの序章が展開したが、本巻では、白鬼達が、いよいよ西洋帆船の築造に取り掛かり、それを阻止する黒子達の戦いがメインとなる。物語が進むにあたり、果たして悪役とされる田沼意次は、悪人か?また黒子の手段を択ばない戦術には、酷薄・非道な振る舞いも多々あり、悪と正が分裂する二元論ではなく、混在する一元論的な物語で展開する。著者の意図が読めず困惑しているが、今後の展開が楽しみです。2019/12/10