内容説明
明治の御世も7年になるというのに、荒れ果てた旗本屋敷で、老女二人が昔ながらの大奥づとめそのままに暮らしていた。ある日、この屋敷出入りの古道具商が殺され、若い下男の弥助が自首した―本郷湯島でそば屋・翁庵をいとなむ、元八丁堀同心・加田三七は、この事件を見すごすわけにはいかず、昔、目明かしだった幸助を連れて現場に顔を出した(「二人の老女」)。ご存知、加田三七の活躍を描く捕物帖。
目次
いのちの吹替え
浮世うどん
比翼塚
江戸の荒熊
二人の老女
幽霊の仇討
茨木の腕
コレラ騒動
人肌菩薩
政岡人形
白い蘭
火焔琵琶