内容説明
三世紀の日本に存在した〈邪馬台国〉について知るのに、まず必要なことは、「魏志・倭人伝」の段落とその文意を的確に把握することである。だが、日本で定本扱いされている「魏志・倭人伝」と1959年に中国で発行されたそれとでは、本文の区読点だけでも百ヶ所ちかくの異同が見られるのだ。本書は、中国文献・訓古学者の立場から、「倭人伝」を読み直し、邪馬台国論争に新しい血を注いだものである。
目次
第1章 「魏志・倭人伝」について
第2章 「魏志・倭人伝」の訳読
第3章 「邪馬台国への道」の証言
第四章 邪馬台国をめぐる諸問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hyena_no_papa
2
国立台湾師範学校から慶応の社会学研究科を経て修士・博士課程修了の社会学博士。肩書など当てにならないこともままあるが、この本は巷間行われている諸説について精査しており信頼感が高い。韓国内陸行説をバッサリ。「東治」についても「東冶」の誤とする主張は力強い。放射式読みの「榎説」も珍訳と手厳しい。巻末の「解説」は安本美典氏が寄せるが、この本を「画期的」と高く評価。ただ、惜しむらくは現行刊本の『魏志』「倭人伝」から出発しており、他の典籍との対校などが視野に入っていない。ともあれ、邪馬台国ファンを自称するなら必読。
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