内容説明
1968年、“ダンプの鳥さん”と呼ばれ、人一倍精力的に活躍していた音楽評論家の著者は、スモン患者となった。当時原因不明の奇病とされていたスモン。真因は歪んだ医療制度が生み出した薬害であった。視力障害、手足の麻痺、そして失職の不安。病苦に苛まれる日々を支えたのは、病いと闘った古今の作曲家たちと音楽であった。医療制度のあり方を問い、誰の身にも起こりうる薬害の恐怖を訴える感動の闘病記。
目次
消えた石灯籠
“ダンプの鳥さん”
ダンプふたたび走り出す
運命の時
秋の落日
蝕まれゆく肉体
社会への訴え
感染説の波紋
わたしを支えてくれたもの
奇病一転して薬害
冬の旅
スモンとはなにか
イームズの安楽椅子
これでよいのか日本の医薬行政
付 キノホルムを含む薬品