内容説明
グレート・ウェスタン保険会社の支払調査部長から、〈私〉に、焼死事件の調査依頼が舞いこんだ。かつてはゴールド・ラッシュに沸き、今やゴースト・タウンと化した町マスケット・クリークを観光地にしようと目論む〈ノーザン開発〉の社長宅の火事で、当の社長が焼死したのだ。失火か、それとも放火か。ところが調査開始早々、第二の事件発生で、事は厄介な方向に…。“名無しの探偵(ネイムレス・オプ)”シリーズ最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hit4papa
47
名無しの探偵シリーズ第11弾。保険会社の依頼でリゾート開発会社の経営者の焼死事件を追う本作。「名無しの探偵事件ファイル』内の短編を長編化した作品です。ミステリとしてはホラーちっくなサスペンスに仕上がった短編の方が、キレが良くて好みです。探偵の捜査に同行する恋人の存在が、緊張感に水をさしているのでしょう。恋人のむら気に戸惑う50代おっさん探偵の心情に激しく共感してしまいます。読み解くべきは、事件の謎より、揺れ動く中年男性の心模様なのでしょうか。探偵の右往左往ぶりは覚えていても、事件の顛末は忘却の彼方かも。2021/11/06
bapaksejahtera
6
シリーズ第11作。廃坑となって百数十年経過した寂れた集落を狙う開発会社の重役の死を調査する保険会社に雇われた名無しの探偵が事件に巻き込まれる。離婚した同士の主人公と恋人のあれこれは私の好みではないが、なんとなくズルズルと読み進むことができる。ただし謎は最後の最後に一斉に解かれる。決して無理筋ではないが徐々に明るくなって見えてくるように出来ないものか。主人公が昏倒し、目覚めてから詳細が明らかになるのもスッキリしない。2020/02/29
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