内容説明
レーシング・ドライバーだった四人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船が、生物のいない廃墟の惑星に辿りついた。彼らが発見したのは、広い道路に駐められた、型こそ古いがまさしく“自動車”だった。闘争心にかられた彼らは、二十四時間レースに挑んだ。疲労の果てに眠りこけ、目覚めると、その自動車はなんと勝手に進歩を始めているではないか(表題作)。豊富なメカの知識に裏付けられたカーSF傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
34
車をテーマにしたSFの短編集。作者のことは筒井康隆のアンソロジーで知りました。カーSFを描き続けている個性的な作家と感心した記憶があります。この短編集で一番心に残るのは、生き生きとした車の描写です。道を走る時のエンジンの回転の仕方とか、レースの時のハンドルの切り方など臨場感がたっぷりです。SF的なアイディアも冴えていて、ぞくぞくしながら読みました。特に黄色い車が一斉に同じ方向に動き出す「大行進」は、現代社会の病んだ部分を暗示して心に残りました。2025/06/10
げんなり
2
自動車レースとか開発とかを題材に使ったSF短編集。1989年の文庫版だけど、オリジナルは1979年の刊行ということなので40年以上昔の作品なのか、なるほど。ついつい男の浪漫とか書きそうになるけど、理系の自動車工学だとかレースとかは、多分あの頃は圧倒的に男ばっかの世界だったのだろうなとそんなふうに感じる。僕はそこそこ古い人間なのでその辺に違和感はないけど、時代は感じる。ストーリーとかオチは面白い。懐かしい感じもして、楽しめた。2020/12/01
washa46
1
カーSFの短編集…2022/04/05
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- 和書
- サムライハット詰襟を着る