内容説明
SMとの混同にもめげずSFを志した〈苦闘の時代〉から、苦心の原稿をバッサリ切られてお礼を言ってしまった〈未曾有の時代〉、「鉄腕アトム」のシナリオに参加した〈映像の時代〉、「破壊された男」に衝撃を受けた〈翻訳の時代〉を経て、縦横無尽の〈創作の時代〉へ。日本SFの揺籃期から興隆期を自ら体験した著者が複眼多岐の視点から綴るインサイド・エッセイ。SFもまた、その個体発生は系統発生を繰り返す!?
目次
プロローグ 苦闘の時代
第1章 模倣の時代
第2章 未曾有の時代
第3章 映像の時代
第4章 翻訳の時代
第5章 番外編
第6章 創作の時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴァン
5
日本のSF創成期から関わってきた豊田有恒氏の資料的価値のあるエッセイ。アニメ『鉄腕アトム』のシナリオにも参加していた氏が別のアニメのシナリオにアトムのエピソードを下敷きにしたところ、手塚氏から抗議の電話をうけ、恐縮したというエピソードなど、当事者でなければ書けない当時の現場の雰囲気がある。SFのアイデアの構想方法など、お話づくりのヒントもある。
鈴木誠二
2
p111「もちろん『ヤマト(※宇宙戦艦ヤマト)には、原案として、ぼく(※豊田有恒さん)の名前も入っていますが、そうするのもおこがましいようなもので、あれは99.9パーセントまで、石津さんの仕事です。」って、メッチャ重要な発言じゃないか!? 石津さんが『宇宙戦艦ヤマト』の企画にどこまで絡んでいたのか? 石津嵐版『宇宙戦艦ヤマト』スキーなオレとしてはめっちゃ気になるんですが!!2018/01/20
nukuteomika
2
恐らく第一次世代作家の中でやや年少、という立場だからこそ書きえた、日本SF草創期の貴重な証言。そのSFへの真摯な思いや冷静な分析、現状への危惧は現在でも通用しうるものだろう。2009/09/21
fuchi-koma
2
日本SF第一世代の苦労や創作秘話などがこれほどまでに赤裸々に語られているのは驚き。資料的価値は計り知れないだろう。福島正実や手塚治虫とガチバトルする豊田かっこいいよ。子供っぽいとも思うけど。2008/04/23
サントラ・ブロッグ
1
奇想天外に連載中から好きだったので、再読しました。2013/02/03
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