内容説明
私の経営する旅館『くわの』に奇妙な仮面をかぶった男女の客が訪れた。旧友のファッション・デザイナー久本里美と野球評論家・三杉征介の人目を忍ぶ姿だったが、里美の妹・尚美がかつて三杉に捨てられて自殺した事情を知る私には、2人の関係は意外だった。やがて刑事が三杉のアリバイを調べにやって来、同居人の久保隆の推理が冴えわたって…。連れ込み宿の女将と同居人が挑む“男と女の事件簿”。
目次
仮面の客
昔の男
写真の少年
客の忘れ物
逃げた女客
客の代理
不幸な番号
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Oh!やまびこ
6
1986~1987年、文芸誌「問題小説」掲載された短編7作品を一冊にまとめた短編小説集。読むと当時の世相や状景が思い出される。中でも、作品「不幸な番号」で公衆電話ボックスにホテトルのビラ(名刺サイズ)がベタベタと貼られていた様を強く思い出す。当時は携帯電話などは無く、出先からの連絡は公衆電話だった。電話ボックスをNTT職員がビラを剥がし清掃している姿をよく見かけたものだった。収められている作品はいずれも男女関係をミステリー風に味付けされており、今読んでも楽しめた。2025/06/11
kanamori
0
☆☆★2010/10/09
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- 和書
- 被服材料学実験書