感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
33
映画化されたこの作品は、横溝正史『八つ墓村』を始め、岩井志麻子『夜啼きの森』、松本清張『闇に駆ける猟銃』など、津山三十人殺しを題材にしたなかでも史実をもとに再現したノンフィクション小説として秀逸だと思う。事件後43年という、当時の関係者が健在での取材と執筆は説得力があり、惨劇のデテールを克明に描くことに味方している。それ以上に、未曽有の殺人へと向かう犯人犬丸継男の内面心理の変化や、土俗的、閉塞的な集落に生きる人々の人間模様と時代背景を冷めた文体で表現することに成功している。これが一段と恐怖を煽るから凄い。2023/09/02
Oh!やまびこ
7
興味深く、そして面白く読めた。原案となる実在の事件の存在は知っていた。限り無くノンフィクションに近いものと感じた。昭和初期における日本の山間集落の衣食住と慣例・慣習の表現には、小生が幼き頃に見聞きしたものと重複しており、驚きと懐かしさを隠せない。物語に入り込み、集落の無機質な一人の傍観者となった感じであった。2024/01/17
ふみえ
7
村八分はキツいが、主人公の未熟さもどうしょもない。両親がもう少し長生きだったら違ったかな?こんなに人を殺せるんだ。2019/06/06
♪mi★ki♪
4
津山事件の小説化作品。読んだのはずっと前であまり覚えてない。映画化された時はエログロ描写で成人指定だったのに、年齢誤魔化して映画館で観たのは、、、もう時効だから白状します。w
キムチ
4
夫の棚から失敬して、彼の作品はあらかた読んだけれど、これは戦慄を感じた。犯罪と言えば、西村兄弟を置いてない・・と暗い迫力を感じる。とはいうものの、どの人間にも共感はかけらも感じない。それどころか、女性として『読んだ』事を隠したい心境になってしまうんだなぁ~ 当に、昭和情念の世界。