内容説明
1929年10月、ウォール街の株価大暴落に始まった大恐慌は、世界を深刻な不況に包みこんだ。しかし、この恐慌の嵐吹き荒れる以前のウォール街はまことに順風満帆、むしろ未曾有のブル・マーケット(買い手市場)を現出した。土地投機ブーム、空前の金あまり、低金利、さらにはヨーロッパからの滔々たる金の流入によってウォール街は活況を呈したのである。まさに、今日の日本の状況と酷似している。本書は、われわれが“前車の轍を踏まない”ために、先人の経験を頂門の一針とすべきことを示唆している。
目次
1 ウォール街流の発想
2 革新と成長の時代
3 政府の役割
4 投資家、投機家、銀行家、そして詐欺師
5 外部からの脅威
6 レバレッジの魔力
7 巨大な買い方の出現
8 1928年―問題点と見通し
9 暴落
10 逃したチャンス