内容説明
「好きな本に出逢えるまで、ゆっくり立ち読みのできる、いや、座り読みができる図書館みたいな本屋さんが欲しい」落合恵子さんの、そんな小さな夢から生まれた、子どもの本の専門店「クレヨンハウス」が十六歳を迎えた。本書は、そんな「クレヨンハウス」の十六年間を、作家であり、オーナーでもある著者が、初めて一冊の本にまとめたもの。
目次
第1章 Other Voices
第2章 Dear Friends
第3章 絵本に学ぶ・子どもに学ぶ
第4章 クレヨンハウスに関する77の質問
第5章 語りつくせない時間
第6章「クレヨンハウス通信」1991
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みずいろ
11
図書館でふと目に入って、子供の頃連れて行ってもらったクレヨンハウスのことをふっと思い出した。買ってもらった本を宝物のように持って帰ったことも。著者の子供との距離の取り方がとても素敵。与えるとか学ばせるという気持ちが一切ない。好きにしていってねという場としてクレヨンハウスを作ったそうだ。著者の手紙の文章が好き。友人の息子を明るく励ます手紙で「外を、口笛を吹いていくひとがいます。ビートルズの「レット・イット・ビー」です」と締めくくる。私が生まれた次の年の真冬に書かれた優しい手紙に、人柄が詰まっていた。2023/08/19
千頼
2
あたたかくて知らない世界。もっとも身近なのに知らない世界。よく知っているはずなのに遠い世界。なんでこんなに心に余裕があるんだろう。子どもに何かさせようとか学ばせようというのではなくて、そこにいていいよ、好きにしていていいよ‥という空間を作ってくれた大人たちの言葉。【図書館本】2024/03/14